第1章 やって来ました剣と魔法の世界
第9話 この世界の時代区分は
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「それでも、俺の前に使い魔召喚用のゲートが開いたのは偶然ではないと思う。
人間同士の縁と言うのに、偶然などないはずやからな」
そう、今回の使い魔召喚に関しては、偶然の積み重なった結果などではないと思っています。
但し、それが、悪意から発した縁なのか、それとも、まったく別の理由から起きた事態なのかは、未だ判らないのですが。
彼女は何も口を挟もうとはしない。
しかし、自分の事を親友だと言ってくれる相手にさえ明かしてない秘密を、使い魔とは言え、出会ったばかりの俺に話しても良いとも思えません。
先ずは、彼女の事を大切に思っていてくれる相手……あの赤毛の少女に対して話すのが筋だと思うのですが。
確かに、そこまで俺の事を信用してくれると言うのなら、それはかなり嬉しい事に成ります。
しかし、残念ながら、俺は彼女に対してそこまでの信用を得られるほどの事を為した覚えは、今のトコロは有りません。
それとも、彼女……タバサの抱えている秘密と言うのは、知って仕舞うだけで、その相手に対してかなりの危険、具体的には生命さえも危険に晒すような内容と言う事なのでしょうか。
確かにその場合ならば、キュルケには、その秘密を伝えていない理由も判り易く、そして、敢えて、俺のような今日出会ったばかりの人間。しかし、彼女の使い魔と言う、ある意味運命共同体のようになった存在には伝えて置かなければならない内容と成るとは思うのですが。
「例え、本名で俺を召喚したので無くても、俺とタバサの間には使い魔契約。つまり、縁が結ばれている以上、ここには何の問題もない。
タバサが、俺の事を信用するに値する人間やと思った時に話してくれたらそれで良い。
もっとも、俺の正体は人間に擬態した龍やから、生物学的に言うと、ヒューマンとは若干異なる部分も有るけど、精神……。つまり、心の部分では人間の心算やからな」
おっと、イカン。これでは、彼女を拒絶したみたいな感じにも聞こえる可能性も有りますか。
そんな心算はないのですが、少しフォローを入れて置く必要が有りますね。
「少なくとも、俺はタバサの使い魔に成る事を承諾した。せやから、俺を異世界から召喚した事については、罪悪感を覚える必要は無いんやで」
それまでと変わらぬ少し軽い調子で、淡々と事実のみを積み上げて行く。
それに、タバサが俺に対して何か後ろめたい事が有るとするなら、この点だけだと思います。
しかし、自分の意志で彼女の使い魔に成る事を承諾した以上、俺の方には何の蟠りもないのですが。男子が一度口に出して承諾した事実は非常に重い物が有り、それを簡単に覆す事など出来る訳は有りません。
まして、俺は龍。龍とは契約を守るモノ。彼女と交わした約束は、俺
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