第1章 やって来ました剣と魔法の世界
第9話 この世界の時代区分は
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戦とやらに兵を送る義務が発生する、みたいな社会制度なのか、この世界は?」
聖地奪還の為の聖戦。つまり、十字軍による遠征にタバサが帯同するような事になれば、当然俺にも国家間の紛争に関わる可能性も出て来ます。
タバサが俺の問いにコクリとひとつ首肯く。これは肯定の意味。間違いない。この世界は十字軍の時代。
もっとも、タバサは女性ですから早々軍務に付くとも……。いや、中世レベルの科学力で、魔法が軍属に取って一番強力な攻撃能力の場合は、タバサも軍務に付く可能性も有りますか。
その為の魔法学院の可能性も有ります。
所謂、軍に取っての士官学校みたいな物の可能性が。
「成るほど。せやけど、例えタバサが軍務に付く可能性が有ったとしても、俺が傍に付いているんやから、そんなに危険な事もないか。
俺に求められている仕事と言うのは、つまり、そう言う事なんやろう?」
所詮はアンダー15で、魔法学院の学生に過ぎない少女なのですから、生命の危機にまで及ぶような危険な事など、今のトコロはないはず。
例え、この魔法学院が軍の士官学校だったとしても。
歴史的に見て十五歳で元服した例など腐るほど有るのですが、其処まで戦時色が濃い雰囲気でもないと結論付けようとした俺。
しかし、
タバサがふるふると首を二度横に振る。これは否定。そして、
「わたしは、貴方に伝えて置かなければならない事がある。
わたしは、ガリアと言う国で騎士をやらされている」
……と、口調は普段通りなのですが、心の動きが普段通り、あまり上下しない冷静な雰囲気とは少し違う感じで、そう告げて来たのでした。
少し、眉をひそめるようにして、彼女を見つめる俺。それは、彼女の告白の中に、不自然な言葉を見つけたから。
そう。務めているでも無ければ、任じられているでも無く、遣らされている、と言う言葉を……。
「それで、その騎士の任務で生命の危険が有ると言う事か。
せやけど、その程度の事は問題ないで。退魔師の仕事と言うのは、異形の者の相手や。
そこには、必ず生命の危機は付き纏う。少なくとも、今日のレンのクモとの戦闘のような事が当たり前のように起きる日常を、俺は過ごして来たんやからな」
そして、敢えて、先ほどの台詞に対してはスルーをして、そう答える俺。
それに、これは事実です。少なくとも、この少女が出来る仕事なら俺に出来ない訳はない、と思いますから。
タバサが俺の方をじっと見つめている。
………………。
…………未だ見つめている。
……やれやれ。これは、聞いてくれと言う事か。
「タバサに何か事情が有る事は判っている心算や」
女性の過去に付いて根掘り葉掘り聞くのは柄じゃない。
なのですが……。
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