第56話 =世界の終わり=
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、ここから見える茅場の顔は俺のとき以上に笑っている。
ソードスキルはモーションさえ取れればシステムアシストにより通常では不可能な動きをこれでもか、というくらいにサポートしてくれる。だがそれは偶然、何かしらの形で意識せずともその構えを取ってしまっても発動するということだ。
恐らくキリトの攻撃を茅場は受け流し、そして防御により自然とその構えを取らせたんだと思う…。ナーヴギアを開発したらしい男ならこれくらい造作もないってか?何とか一撃でも当てさせようとするが俺はどちらの剣も1つの長剣との鍔迫り合いで動けない状況に陥っている。…何度もいってやろうか?パワー強すぎだっての…!
《ジ・イクリプス》という名のソードスキルは余裕で真っ白な盾に全てを阻まれその直後にキリトに長時間の硬直、そしてリズの最高傑作の1本の剣先が砕け散るという最悪の結果で終了した。
「さらばだ。キリト君…」
その瞬間を狙ってか…いや絶対に狙っていただろう。俺をキリトの攻撃を防いだ盾で吹き飛ばし神聖剣のソードスキルなのか、真紅の光をまとってキリトに襲い掛かろうとしていた。
ここままじゃ…キリトは死ぬ…?…そんなの駄目だ…俺じゃこの人には勝てない、それは今の攻防で十分にわかった。でも俺たちの唯一の希望であるこいつならそのチャンスくらいは…!
「……うぉぉぉ!!」
その考えが浮かんだ瞬間には俺はすでに飛び込んいた。キリトと茅場の間に立ち、俺も同じくリズの最高傑作であるオータムリリィで受け止めようとするが、まさかの向こうからのフェイントに対処しきれずその攻撃を食らってしまう。
「……が…ぁぁっ!!」
HPが減るまでにはタイムラグが少々ある。そのため俺の意識はまだ生き残っている。あと何秒かで殺されるだろうが…。そのおかげと相手のソードスキルが初級ランクだったためにノックバックを耐えることが出来た。
「……キリト…あと、頼んだ」
こいつなら…今のお前になら握れるはずだぜ?
そう思い、左手のキャリバーンをキリトの方に向けて投げる。軽く投げたせいか、カラカラと乾いた音をたてながらキリトの足元まで転がっていった。キャリバーンゲット時はキリトには握れなかった。でも今のアイツは当時の俺くらいの筋力値はもう持っているだろう…
「…先に死ぬのは…剣だけで」
十分だ…と言ったつもりなのだが聴覚も失ったのかそれが聞こえず、目の前がブラックアウトしてしまった。そしてその暗くなった視界に唯一浮かんできたのはそこには紅い文字で《You are dead》という宣告文が…。
最後の最後に…約束、破っちまったな……………。それが意識を失う前に思った最後の言葉だった。
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「……どこだ、ここ
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