第四話 襲来、ボルテック
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たのだ。
『あの野郎、ジェイルは殺した癖に俺は殺さなかった!?なんでだよ、訳が分からねえ!』
『その、シュラネスのことなんだけど・・・』
エリスのその一言に、アッシュはテーブルを両手で叩きつけ、勢いよく椅子から立ち上がる。
『知ってるのか!!教えてくれ、あいつは何者なんだ!』
この時、アッシュは少し怯えるエリスを見て我に戻った。
一言静かに謝り、再び椅子に座る。
少し間をあけて、彼女はシュラネスについて話し始める。
『天地最強の剣、それがシュラネス。この世界で彼に勝る剣士はいない。今まで何人もの
剣豪が彼に挑み、そして殺された。それもあっけなく。一番恐ろしいのが、未だ一度も
本気で戦っていないということ』
アッシュは彼のことを聞いて驚愕した。
親友ジェイルがなぜ殺されたのか。
なぜ自分が勝てなかったのか。
天地最強の剣、それがその全ての答えだった。
エリスは続けて口を開く。
『シュラネスは幹部・星裁の使徒の一人で、その他にシルフィーナとゼファリオンがいる。
でも、彼ら以外にも恐ろしいのが・・・総隊長のルージュ=クライトス』
『ルージュ・・・』
ルージュ=クライトス
その名を聞いたアッシュはなぜか反応した。
もちろん出会ったこともなければ、顔も知らない。
なのにアッシュは妙な緊張を感じてしまう。
『ちょうどアッシュと同じぐらいの若い男の子なんだけど、彼は16歳という前代未聞の若さ
で、三大騎士団を統括する総隊長に昇進したエリートなの。去年得た情報だから、今は17歳
だね』
『ってことは、いつかそいつと交える可能性もありそうだな』
アッシュは何故か嬉しそうだった。
戦いが好きな訳でもないが、この時は違っていた。
紋章騎士団について軽く説明されたアッシュだが、
ここで妙な質問をエリスに投げかける。
『ところでエリス、見たところ独りで生活してるみたいだが、持ってた弓と言い
魔物の攻撃に対する反応の速さ・・・まさか、あんたも大事な人を紋章騎士団に?』
その一言にエリスは驚きつつも、こう返す。
『どうしてそれを・・・?』
『腕を見れば分かる。確かに女の子らしい細身だけど、筋肉がしっかりしてるしな。
その筋肉の付き方は日々鍛錬してなければ難しい。特に女性の場合は分かりやすいんだ』
『・・・シルフィーナ』
エリスのその一言に、アッシュの記憶が蘇った。
なぜ森の入口でエリスにあんな質問をしたのか。
似ていたのだ。
皮肉かもしれないが、恐ろしいまでに。
あの、聖光の二つ名を持つ星裁の使徒の一人・・・シルフィーナに。
だが空気を読み、彼女の前であえてその事は言わなかった。
『シルフィーナは、私のお父さんを殺した仇・
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