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真剣に私に恋しなさい! 〜 転生者は天下無双な血統種 〜
第三話 幼稚園ですか。
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だったら相談に乗るが…。
だが俺の予想は違っていたようで、甘粕はどこか寂しげに首を横にふる。
「いえ、ただ自分が情けなくて…。私は皆よりおねえさんなのに、頼りないし、誰かを助けようと思っても何もできない。さっきも先生を助けようと思っても、どうにもできませんでした」
そういえば、視界の隅でこいつがおろおろしているのを見た気がする。あれは先生を助けようとしてたのか。
「私はシャオ君みたいになれないのかなぁ…」
…なに言ってんだこいつ。
「そんなの当たり前じゃん」
「ッ!?」
だって、
「俺は俺、お前はお前だろ?」
「ふえ?」
そう言うと甘粕は、なんか涙目になって俺のことを不思議そうな目で見てきた。
なんで涙目?
「俺には俺、お前にはお前。それぞれの良さがある。だからそう悪い方向にばかり考えることないだろうに」
俺は知っている。幼稚園で転んでけがをした子がでたら、真っ先に近寄って絆創膏をあげていた子のことを。
落ち込んでいたらその子の話しを聞いて自分なりに慰めていた子のことを。
誰かが誰かに乱暴をしていたら体をはって止めていた子のことを。
そんなやさしい性格が、この子の良さだと思う。
……俺の場合は自分からやっているわけじゃなくて、ただ巻き込まれているだけだしな。
「甘粕は俺のことを凄いと言ったが、俺は甘粕のように自分から皆の役にたちたいと積極的に頑張るやつの方が凄いと思うぞ?」
「そ、そうかな…?」
褒められたこととが嬉しかったのか、甘粕は少し頬を赤くして俺の顔を見る。
「それに、今できないならがんばって、将来できるようになればいいしな」
「ッ!?そ、そうですよね!将来なら私もいろいろ成長していると思うし!!」
「あ、ああ…」
…なんだろう。甘粕がどんなに頑張ってもある分野では全く成長してない未来図が見えた気がしたんだが。気のせいだったんだろうか?
「さ、そんなことよりさっさと描いちゃおうぜ?いい加減時間が無くなってきた」
「そ、そうですね!」
ちなみに、俺が描いた絵を見て、「シャオ君も苦手なことがあるんですね…」と、甘粕が自分に少し自信を持つようになる。
…………解せぬ。
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