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蒼き夢の果てに
第1章 やって来ました剣と魔法の世界
第8話  式神契約
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空間を覗き見や盗聴する為には、普通に考えるとこの空間内に侵入するしか方法はないでしょう。

 但し、俺やアガレスの探知……この俺達以外に何の気配も感じる事の出来ない空間で、気を操る存在の探知能力を騙すのはとてもでは有りませんが不可能……とまでは言わないけど、かなり難しい事だとは思いますから。

「そうしたら質問。タバサには、どうしても魔法が必要なんやな?」

 先ずは大前提についての質問を行う俺。但し、この質問は本来不要ですか。先ほどの彼女自身の台詞がそれを物語っていますから。
 予想通り、コクリとひとつ首肯く事によって、俺の質問を肯定するタバサ。

「そうしたら、その為になら、使い魔は一人一体のみと言う、この国の決まりを破る覚悟は有るか?」

 更に質問を続ける俺。しかし、

「わたしには、使い魔とわたしの魔法の関係が理解出来ない」

 そう、それまでと同じ調子で聞いて来るタバサ。但し、苛立ちや不快な気を感じる事は無く、どちらかと言うと興味が有ると言う雰囲気を発している。

 う〜む、成るほど。もう少し、詳しい説明が必要と言う訳ですか。
 それならば……。

「ウィンディーネ。それに、サラマンダー。二柱(フタリ)に聞く。
 現在、及び未来に置いて、タバサと契約を結ぶ事は可能か?」

 タバサから、俺の後ろに付き従う、こちらの世界に来てからずっと現界しっぱなしの式神に視線を移してから、そう問い掛ける俺。
 そして、その俺の問いに対して、首を横に振って答える式神達。

「未来に関しては判りませんが、彼女はシノブの主人では有りますが、すみませんが、例え、シノブの命令で有ったとしてもお受け出来る事と出来ない事が有ります」

 そう、サラマンダーの方が代表して答えた。
 想定通りの答えなのですが、これは仕方がない事でしょう。いくら、知らずに行使していたとは言っても、実際に魔法を発動する際には、かなりの数の精霊を犠牲にしていた可能性が有るのですから。
 これを精霊の側から考えて見ると、そんな相手とは、契約を結びたがる訳は有りません。

「俺が、魔法……仙術が行使可能なのは、四大精霊と直接契約して、この場の精霊を間接的に支配する事によって仙術を発動させているから。
 確かに、場に存在する精霊と直接交渉して支配する方法も有る。せやけど、少々時間が掛かるし、俺が契約している精霊達は、それぞれの精霊界でも上位に当たる精霊やから、これでも十分な魔法の効果が得られるからな」

 昼間に実演して見せた仙術。樹木の成長を早める仙術を、俺の霊力だけで時間を一年近くも進める、などと言う事は出来ない……事もないけど、かなりの霊力を消耗します。
 その場合、その後のレンのクモとの戦闘がかなりキツくなったでしょうね。

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