第1章 やって来ました剣と魔法の世界
第8話 式神契約
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いだけなんやから」
先ずは、タバサや、彼女の魔法の肯定を行ってから、現状で、改善すべき問題を提示する。それに、俺の傍で陰の気の強い魔法を連発されては、陽の気の神獣たる俺の体調にも影響が出ますから。
まして、それが俺だけに留まる訳は有りません。間違いなくタバサにも何らかの影響が出て来ると思います。
いや、もしかすると、既に何らかの悪影響が出ている可能性も有りますか。
余りにも状況が陰の気に偏り過ぎると、不幸な事が連続して起きたり、体調を崩したりと言う事が起き続け、最終的には死に至る事も有り得ますから。
俺は再び笛を取り出し、有る音楽を奏で始めた。
この泉の雰囲気は悪く有りません。更に、先ほど進んで来た林自体も人の手が加えられ、ちゃんと生命力に溢れた、里山と言う状態を維持している林で有りました。
そう、ここは十分に水が循環している不自然に澱んだトコロのない泉で有り、昼間には、十分な陽光が差し込み、木々の間を十分な風が通り抜ける明るい雰囲気の林で有るのだと思います。
こう言う林や泉なら、必ず某かの妖精と言う存在が居ます。俺の経験通りならば。
高く、低く鳴り響く笛の音。
そう、これはただ音楽を奏でている訳では有りません。近くに存在する妖精や妖魔の類の内、交渉可能な個体を呼び出す仙術。そう言う種類の魔法。
俺の笛の音に魂を揺さぶられた存在を呼び寄せる為の、長嘯と言う仙術。
やがて、俺の見ている目の前で、泉の中から蒼を基調としたドレスを着た一人の少女が。
そして、林の中からは緑を基調としたドレスを着た、花の冠を被った少女が一人、顕われた。
俺は、新たに現れた少女達に、笑顔を魅せる。
そして、
「初めまして、この世界の、泉の乙女に森の乙女。
私は、異世界より訪れた龍族の端に連なる者。名を武神忍と申します」
泉の乙女。西洋風に表現すると妖精ニンフと、森の乙女。つまり、妖精ドリアードにそう自己紹介を行う俺。
今度は本当に驚いた表情を浮かべるタバサ。
しかし、おそらくこれは、新たに顕われた二柱の妖精に対して驚いた訳ではなく、俺の自己紹介の部分が大きかったのだと思いますが。
ただ、ここに居るのは俺と、俺の式神たち。それに、自らの主のタバサだけですから、もう隠す必要は有りません。まして、タバサには周りにギャラリーが居なくなった時点で話す心算でしたから。
但し、龍種とは言っても、人間離れした身体能力や神通力は持ってはいますが、龍体への変化は出来ない、非常に中途半端な龍でしかないのですが。
それに、式神契約を結ぶ際は、俺の場合は正体を明かした方が良好な関係を築く事が出来ますから。純然たる人間よりは、荒ぶる自然の象徴、龍の血を引く者の方が
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