第26話 怪獣殿下
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尻尾だ。気をつけろ)
(分かってる)
互いに頷き会いウルトラマンとセブンはゴモラに向い突進した。首筋と胴体に鉄拳を放つ。しかしそれらもゴモラの硬い甲殻の前では無意味に終わる。相当なまでの堅牢さだった。並の攻撃では全く歯が立たない。見ればゴモラは全く応えた様子が見られない。かなりのタフな怪獣だ。
其処へ伸縮自在の尻尾が唸りを上げて襲ってきた。先端がこちら目掛けて襲い掛かってくる。間一髪でそれをかわすウルトラマン達。だが、その一撃は戦慄を感じさせた。
まともに食らえばウルトラマンとて無事では済まない。体を貫通させられて絶命する事は必死だ。それにパワーも以前多々良島で戦ったレッドキングの比ではない。凄まじい程のパワーを有している。
「あの怪獣、凄く強い」
「ちゃっちゃと封印して怪獣をやっつけちゃおうよ」
「分かりました!」
なのはとフェイト、そしてアルフの三名は急ぎゴモラからジュエルシードを回収する為にゴモラに攻撃を仕掛ける。封印をする為には母体からジュエルシードを取り出さねばならない。だが、その為にはダメージを与える必要がある。しかし目の前のこのゴモラにダメージを与えるのは至難の業であった。
ウルトラマンの攻撃ですら涼しい顔で受けるゴモラに対して魔導師の攻撃など蚊が刺した程にも感じてないだろう。
現にフェイトのハーケンセイバーやなのはのアクセルシューターを食らってもゴモラは全く意に返さない。それどころか更に激しく暴れまわるだけであった。
其処へ防衛軍の援護射撃が行われた。砲弾の雨がゴモラ目掛けて降り注ぐ。爆発と衝撃に溜まらずゴモラも唸る。流石に砲弾の雨霰を食らえば多少は応えるようだ。
「良いぞ良いぞぉ! その調子でぶっ潰しちまえぇ!」
「甲児君、俺達も続くぞ!」
勢いに乗りマジンガーとゲッターも遠めから攻撃を行った。ウルトラマンもセブンも格闘戦から光線技へと変更して攻撃を仕掛ける。幾ら伸縮自在の尻尾を持っていたとしても相手がこうも多いと狙いが定まらずゴモラも苦戦状態になっていた。
今が好機。そう思い二人の魔導師が構えた。
「あ……」
だが、その時なのはは見てしまった。
それは、ゴモラの目から零れ落ちる一滴であった。ジュエルシードに支配され破壊の化身と化したゴモラの目から一筋の涙が零れ落ちたのだ。
それを見た瞬間にになのはとゴモラの中の時間が止まる。居るのは自分とゴモラだけであった。他の景色や人は一切消えてしまっており二人が互いに見合う形となった。
(痛い……痛い……)
聞こえてきた。それは恐らくゴモラの声だった。とても悲しげな声であった。まるで、この声を聞こえている者に助けを求めているかのようであった。
「これって…あのゴモラの声?」
(助けて……助けて
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