ALO編ーフェアリィ・ダンス編ー
26.ザ・シード
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死に絶えるはずだったVRMMOは再び蘇った。ALOも新しい運営会社に引き継がれ運営費されている。
新しく誕生した世界は、ALOだけではなかった。中小企業や個人まで数百のぼる運営社が名乗りを上げ、次々とヴァーチャルゲームサーバーが稼働したのだ。それらは接続されることになり、今では一つのヴァーチャルゲームで作ったキャラを他のゲーム世界へとコンバート出来るシステムも出来つつある。
「おい、二次会の予定は変更ないんだろうな」
「ああ、今夜十一時、イグドラシル・シティに集合だ」
アルヴヘイム・ケットシー領 首都 フリーリア上空
夜空を四枚の翅で飛翔する。
更に加速し、上空の月に向かい飛翔。更に加速。
そして、急にスピードが落ち、目の前に【WARNING 限界高度】の文字が浮かび上がり一直線に地上に向けて落下していく。
そして考える。
私にあの城の記憶はない。あの城.......お兄ちゃんや集也くんを閉じ込めた城で共に戦い、泣き、笑い、恋をしたーーそれは、現実世界に帰っても消えることのない強い光。お兄ちゃんや集也くんが言ったように仮想世界も現実なのだ。
あの世界の出来事はただのデータじゃない、現実と同じ価値なんだ。
考えてるせいか、翅が動かせない。すると、体を何かが受け止め、落下が止まる。
「どこまで行く気だよ。もうすぐ時間だぞ」
シュウくんの顔が目の前にあった。シュウくんは両手であたしを抱きかかえホバリングしている。
「......そう.......ありがとう.....」
シュウくんの両手から離れ、少し俯いて聞く。
「ねぇ.......あつ......シュウくん。ALOの運営会社が新しくなってSAOのアバターが使えるようになったのに......なんで他の人みたいにもとの姿に戻らなかったの?」
シュウくんは少し考え込んで結論を出す。
「そうだな.......元々、俺はキリトとアスナを助けるためにALOに潜ったんだしな。........それにゲームは最強データでやるより地道にレベリングしていく方が楽しいからさ」
「.......シュウくんらしいね。それじゃあ、インプのシュウくんと会って最初に旅したのは......あたしなんだ」
急に涙が溢れ出てくる。
「あたし......今日はこれで帰るね」
「えっ、なんで?」
「だって........遠すぎるよ。集也くんやお兄ちゃん、みんなのいるところが.........あたしじゃ、そこまで行けないよ」
「そんなことないよ.......」
集也くん/シュウくんは私の手を握り、世界樹に向けて急に加速し出す。
そして急に停止して、私はそのままシュウくんの胸に飛び込むような形になる。
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