ALO編ーフェアリィ・ダンス編ー
26.ザ・シード
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には月の光が差し込み明かりがなくとも明るい。
「........ああ」
喉から声が漏れた。
ベットの上で上体を起こし、こちらに背を向け窓の外を見る栗色の髪の少女。その少女は間違いなく俺が会いたかった少女........
「........アスナ」
アスナはゆっくりとこちらを向きゆっくりと口を動かす。
「.......キリ....ト......くん」
微笑み右手をゆっくりと伸ばす。俺の左手と絡め右手で優しくアスナを抱きしめる。
アスナは俺の頬の傷を撫でる。
「ああ......最後の......本当に最後の戦いがさっき終わったんだ......終わったんだ」
これまで抑えられていた感情が一気にこみ上げ涙が溢れ出す。
「ゴメンね.......まだ、音がちゃんと聞こえないの。........でも、わかるよ、キリトくんの言葉。.......終わったんだね。ようやく.......ようやく、君に会えた」
アスナの目からも大粒の涙が......
一度アスナと離れた互いに目を合わせる。
「はじめまして、結城、明日奈です。ーーただいま、キリトくん」
溢れ出る涙を拭い笑顔で応えた。
「桐ヶ谷和人です。........おかえり、アスナ」
お互いに顔を近づけ、唇が触れ合った。
二〇二五年五月十六日 金曜日
「それでは今日はここまで。課題ファイル25と26を転送するので来週までにアップロードしてもくこと」
鐘が鳴り響き午前中の授業が終わりを告げ、教師が教室から出ていくと昼食モードの空気が漂う。
和やかに談笑しながら、クラスのやつが教室を出て、カフェテリアへと歩く。
「おい、カズ、アツ、食堂行くなら席取っといて」
隣の席のやつが立ち上がる俺とカズ......まぁ、キリトに言う。
「了解。でも、和人はいつも通り、《姫》とお食事だからな」
キリトはすかさず俺の方を睨みつけるように見る。
「ちくしょう、いいなあ、《姫》と食事なんて」
「まあ、そういうことだ。悪いな」
連中のいつもの愚痴の中からキリトは離脱し、俺もキリトを追い教室から出る。
「キリト.........!」
拳を突き出しキリトもそれに合わせるように拳を突き出す。
カフェテリアに着くと見知った顔が二人ほど西側の窓際の席から窓の外を見ている。一人はパックのジュースを勢いよく吸い上げながら窓の外を睨むように見ている、少女。もう一人は椅子に座り込みその少女を見ている。
「よっ!里香、珪子!何やってんだよ?」
「何だ、あんたか........」
呆れたような顔をする里香。
「何だとは何だ。何だとは......」
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