ALO編ーフェアリィ・ダンス編ー
26.ザ・シード
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てよ。立ってみろよ!!」
須郷は倒れる俺の腹部を二度、三度と蹴りつける。オベイロンの蹴りとは痛みが全然違う。右腕の痛みと腹部の痛みの両方が一気に襲いかかる。
アスファルトの上に倒れる俺を踏みつける。
「お前みたいなクズが僕の......この僕の足をひっぱりやがって!その罪に対する罰は当然.....死だ」
ナイフを振り上げ俺に向ける。
「死、以外.....ありえない!」
ナイフが振り下ろされる。ナイフは俺の目の前に振り下ろされる。
「あれ......?右目がボケるんで狙いがくるちゃったよ.......」
再び須郷がナイフを振り上げる。
すると須郷が急に泣き出す。
「.....クズが......。お前なんか......お前なんか!本当の力は何も持っちゃいないんだよ!!」
ナイフを両手で持ち大きく振り上げる。
須郷の言葉を聞いた時、須郷の姿と妖精王オベイロンの姿がかぶる。
(須郷.......お前だって同じだろ........)
「......死ねぇぇ!!小僧ぉぉぉ!!」
須郷の絶叫とともにナイフが振り下ろされる。
「うおぉぉぉ!!」
振り下ろされるナイフを握る手を右手で防ぎ、左手で首を絞め須郷を倒す。それと同時に須郷の握っていたナイフを奪い取る。
「貧弱な武器だ。......軽いし、リーチもない......」
右手でナイフを握りしめ立ち上がる。
「でも、お前を殺すには充分だ」
情けない声を上げ、逃げようとする須郷の頭を左手で鷲掴みにし、バンのドアに打ち付けた。そして須郷の首元にナイフを構える。
構えるナイフを須郷に近づける。それと同時にこれまでのことが怒りとなりこみあげる。
「うおぉぉぉ!!」
「ヒィィィィィ.......!」
須郷の絶叫が響き渡る。ナイフを離すと須郷も同時に倒れこむ。
暗いロビー、暗い階段、暗い廊下を抜け、暗い病室へと一歩一歩と足を踏み入れる。
このカーテンの向こうにはアスナがいる。だが、もしかしたら起きてないかもしれない........もしかしたら死んで......考えるな!
でも、恐怖心のせいでカーテンの向こうへと踏み込むことができない。動けない、これ以上進めない。声も出ない。
すると不意に、耳元で囁き声が......
『『ほらーー待ってるよ』』
『.......行けよ』
そして、そっと肩を押す手の感触。ユイ?直葉?
でも、最後の声ははっきりとわかった。三つの世界、SAO、ALO、そしてこの世界で俺のことをずっと助け、支え、守ってくれた彼の声だ。
右足を前へ。
さらにもう一歩。更に。更に。
そしてカーテンに手をかけ開く。
病室
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