街を覆う毒霧
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は我等が有利、そう簡単にはやらせませんよ」
今度は彼自身も襲い掛かる。そしてストロンガーを掴み取ろうとする。
「おっと」
だが戦闘員の身体を盾に彼を阻む。だが徐々に追い詰められていく。
その後ろはもう石垣の下であった。これ以上後ろに退く事は出来ない。
「さあ、もう後がありませんよ」
ドクガロイドもそれは察していた。あえて彼に声をかける。
「確かにな。じゃあ飛び降りるまでだ」
彼はニッと笑ってそう言った。そして本当に飛び降りた。
「何ッ!」
下を見る。だが姿は見えない。
「何処に行ったんだ!?」
戦闘員の一人が首を傾げて呟く。それに対しドクガロイドは言った。
「考えている暇はありません。我々も下へ行きましょう」
「ハッ」
戦闘員達はそれに従った。彼等は下へ向かった。
「確かこの辺りだが・・・・・・」
ドクガロイドと戦闘員達は城が飛び降りた場所に来た。だがそこに彼はいなかった。
「消えたか・・・・・・?」
「まさか、ついさっきここに飛び降りたばかりだぞ」
戦闘員達は互いに囁き合う。そして辺りを見回すだが彼の気配一つしない。
「とりあえず右へ行きましょう。おそらくそちらへ行った筈です」
大阪城は複雑な構造になっている。これは城内に侵入した敵兵や隠密を惑わせる為である。幾多の攻城戦を経験し城攻めの名人と言われた秀吉の作った城だけあり見事なものであった。
その左手は門となっているあちらへ行ったとは考えにくい。それに対し右は一直線に天守閣へ続いている。そこしか考えられなかった。
「わかりました」
戦闘員達もそれは悟った。彼等はドクガロイドに従い右へ向かった。
すぐ上に天守閣が見える。石垣に囲まれた広い場所に出た。
「一体何処にいるんだ」
「まさか消えたのか・・・・・・?」
戦闘員達が辺りを見回しながら呟いたその時だった。不意に何かが聞こえてきた。
「ムッ、これは・・・・・・!?」
それは口笛だった。その笛の音に一同ハッとした。そう、口笛を吹く男といえば一人しかいない。
「ここかっ!」
戦闘員の一人が上の石垣の上にナイフを投げる。口笛を吹く男はそれを手で掴んだ。
「おいおい、口笛への注意にこれはいくら何でもやりすぎだろう」
城はナイフを横に捨てながら言った。
「やっと見つけましたよ、城茂。ここが貴方の死に場所です」
ドクガロイドは彼を見上げて言った。それに対し彼はニヤリ、と笑った。
「それはそっくりそのまま貴様等に返してやる。行くぞ!」
両手の黒い手袋を投げ捨てた。そして両手を大きく動かしはじめた。
変
右手を肩の高さで水平にし左手は肘を直角に曲げ右手と水平にさせる。そしてその両手を右肩の高さからゆっくりと左斜め上へ旋回させていく。それと共に
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