街を覆う毒霧
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、と。
「気付いたね。そうさ、イベントはこれだよ」
彼は獣の爪のように伸びた指を鳴らした。するとその後ろから数名の戦闘員達が姿を現わした。
「なっ!」
ストロンガーは彼等を見て驚愕した。何と彼等はルミを連れているのだ。
「残念だったね。彼女もこの催しに招待していたんだ」
ドクガロイドは驚愕する彼を見て勝ち誇った顔で言った。
「彼女がいたホテルまで行って招待したんだ。別れたのが裏目に出たね」
「クッ・・・・・・」
そうだった。ルミの事を考え彼女をとあるホテルに避難させ自分一人でここに来たのだ。だがそれがかえってこのような
ことになろうとは。
「さて、どうするの?彼女を助けたいのなら・・・・・・わかるよね」
「・・・・・・わかった」
ストロンガーは両腕を下ろした。それを戦闘員達が取り囲む。
ストロンガーは城茂の姿に戻され十字架に磔にされていた。ルミも一緒である。
「逃げ出そうとしても無駄だよ。そのロープは特殊な絶縁体のロープだ。決して電気や熱には負けはしない」
ドクガロイドは城を見て言った。
「それにしてもここで十字架を架けることになるとはね」
彼はそう言って笑った。そこは大阪城であった。
この城が豊臣秀吉により築城されたのはあまりにも有名である。また彼はキリスト教を弾圧したことでも知られている。
「あれはスペインの侵略を危惧してのことらしいけれど。まあ正解と言えば正解か」
その通りであった。スペインの侵略の方法はキリスト教、ここではカトリックの神父達がその尖兵を担っていたのだ。
「さて、この天下の名城で最後を迎えることになるけれど。何か言い残す事はある?」
ドクガロイドは城の方へ向き直って尋ねた。
「・・・・・・聞きたいか」
彼はそう言って笑った。
「勿論」
彼は答えた。この時彼は城の笑いは最後の痩せ我慢の笑いだと思っていた。だがそれは違っていた。
「この程度で俺を捕まえたとは思わないことだ」
「何っ!?」
その時だった。城はその絶縁体のロープを引き千切った。電気ではない。そのままの力によってだ。
「なっ!」
ドクガロイドは叫んだ。戦闘員達が彼を再び捕らえようとする。
「甘いっ!」
城はそんな彼等を何無く蹴散らす。そして右手を挙げて叫んだ。
「カブトローーーーッ!」
カブトローXが走って来た。そして救出したルミをその上に乗せた。
「行け、安全な場所までな」
カブトローXはそれに答えなかったがルミを乗せたまま走りだした。そして何処かへ走り去って行った。
「さて、これで気兼ねなく戦えるな」
「クッ、まさかそれ程の力があったとは・・・・・・」
ルミを見送り安心した顔でこちらへ顔を向けた城に対しドクガロイドは苦々しげに呻いた。
「だがそれでも数
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