街を覆う毒霧
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「どのみち我々の勝利はゆるぎないものですし」
彼は悠然と微笑んで言った。
「それは俺の台詞だ」
城はそれに対し睨みつけながら言った。
「そうですか。まあいいでしょう、それはいずれわかることです」
ドクガロイドの足下がゆっくりと浮き上がってきた。
「ムッ!?」
城とルミはそれを見て目を見張った。
「驚く必要はありませんよ。僕は毒蛾の改造人間ですから」
彼はそんな二人に対し宥めるように言った。
「空を飛べるのは当たり前。それに今は貴方達に危害を加えるつもりはありません」
彼は宙に浮かび上がった。そして後ろに退いていく。
「またお会いするその時まで。さようなら」
彼は姿を消した。後にはその消えていった場所を凝視する城とルミがいた。
「さて、挨拶はあれでいいですね」
大阪の港のある倉庫の中でドクガロイドは周りを囲む部下達に言った。
「噂に違わぬ男です。油断は出来ませんね」
「ハッ」
彼の言葉に戦闘員達は敬礼で答えた。
「さて、次の我々の計画ですが」
「予定通り大阪上空から毒霧を降らせますか」
戦闘員の一人が尋ねた。
「いえ、それは後にしましょう。やはりストロンガーの動きが気になります」
「わかりました」
ドクガロイドはそれを否定した。尋ねた戦闘員は敬礼でそれに答えた。
「まずはストロンガーの打倒が先です。さもないと作戦遂行すらままなりません」
「ではどうしましょう?」
戦闘員達が尋ねた。彼はそれに対し微笑んで答えた。
「何、慌てる必要はありません彼はじきにこおへ来ますよ」
「エエッ!?」
戦闘員達はその言葉にうろたえた。
「何を驚く必要があります?敵が折角来てくれるというのに」
「いえ、しかし」
冷静なドクガロイドに対し戦闘員達は狼狽しきっている。
「おそらく彼一人で来るでしょう。既に一隊を彼のところへ向かわせています。そして彼に遭ったらすぐに退くよう伝えてあります。発信機を落としてね」
「それでは誘い込むと・・・・・・」
「その通り。そしてその間にもう一隊を・・・・・・」
彼はそう言うとニヤリ、と笑った。その眼が再び怪しく光った。
「わかりましたね」
彼は戦闘員達に対して言った。
「ハッ!」
戦闘員達は彼に敬礼で答えた。そして彼等は闇の中に消えた。
大阪は神戸と同じく港でも有名である。その始まりが港からであり天下の台所、水の都と謳われただけはありその水運の良さは歴史的にも有名である。
大阪の北から南に至るまでその港は続いている。そこは複雑に入り組みそして様々な船が停泊している。巨大な倉庫が林立している。それは繁栄の証でもある。
夜の港は独特の雰囲気がある。停泊している船や遠くの街の光が見える。そして時折船の汽笛の音が聞こえ
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