街を覆う毒霧
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「全くアマゾンの奴にも困ったものだ」
カウンターで立花はいささか顔を顰め首を傾げながら言った。
「あら、それでも怪人をやっつけたんだからいいと思いますけど」
それに対してリツ子が言った。
「おい、そう言うがなあ。連絡がとれないとこっちも困るんだ。何処で何やってるかさっぱりわからないからな」
「けれどそれがライダーじゃないかしら。今こっちに帰って来ている人達も殆ど連絡入れませんし」
「だな。こまめに入れて来るのは丈二だけだよ。特に隼人と志郎なんかこっちから連絡入れないと返事もして来ねえ」
立花はそう言って顔を顰めた。
「隼人の奴はいつもそうなんだ。事前に何の連絡もよこさねえでいきなりフラッと帰って来る。電話もよこさねえんだぞ」
「あら、それでも無事だからいいじゃないですか。連絡が無いのは無事だってことですし」
「・・・・・・まあな。そもそもあいつ等がそう簡単にやられるとはわしも思っちゃいないが」
立花はリツ子の言葉に少し怯んだ。
「じゃあいいじゃないですか。それに丈二さんからの連絡で大体はわかりますし」
「まあそうだがな。しかし丈二の奴も本当にマメだよ」
その時立花の携帯に電話が入った。
「んっ、誰からだ?」
出た。そこには聞きなれた声があった。
「やあおやっさん、そちらはどうですか?」
それは城茂の声だった。
「おっ、茂か?珍しいな御前が電話してくるなんて」
「ははは、何言ってんですか。俺だって連絡位入れますよ」
「今はじめて連絡してきた癖に偉そうに言うな。大体通信機に入れろって言ってんだろうが」
「まあ細かいことはいいじゃないですか。こうやって連絡したんだし」
「・・・・・・まあいいだろ。御前にしてはまともじゃないか」
「おやっさん、それはないでしょ。いくら何でも」
「そういうことは丈二の奴みたいにマメに入れてから言え。で、今何処にいるんだ?」
「大阪です。ここで何やら変な噂を聞いたもので」
後ろから騒がしい叫び声が聞こえて来る。
「そうか、大阪か。注意しろよ、そこは道が入り組んでいてややっこしいからな」
「了解、ところでそちらはどうですか?」
「こっちは今のところ何も無いな。まあそのうちバダンもこっちで何かやるだろうがな」
「わかりました。じゃあこっちは素早くやっつけてすぐにそっちへ戻りますよ」
「心配無用だ。こっちには今志郎とアマゾン、それに丈二がいる。御前は安心してそっちのバダンの奴等をやっつけろ」
「はい」
かくして城は電話を切った。
「城さんから?」
「ああ、一番の風来坊からの電話だよ」
立花は笑いながら言った。
「あいつが電話して来るってのも珍しいがな。そういえばあっちには誰か行ってなかったか」
「そういえばルミちゃんが行ってなかったかしら。親戚が
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