暁 〜小説投稿サイト〜
仮面ライダーZX 〜十人の光の戦士達〜
森に煌く刃
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「ああ」
 村雨は素っ気無く答えた。二人は車を止め店に入った。
「いらっしゃい」
 店では丁度立花がチコとマコにホットケーキを焼いていた。まさひことリツ子も遊びに来ていた。
「コーヒー二つ」
 博士はカウンターの席に座るとメニューを見て注文した。
「はい」
 リツ子がメニューを聞いた。そしてコーヒーが運ばれて来る。
「美味いな」
 博士はコーヒーを一口飲んで言った。
「そうでしょう、おじさんのコーヒーは評判なんですから」
 リツ子が目を細めて言った。
「おいおい、褒めたって何も出やしないぞ」
 立花が言った。丁度ケーキを焼き終え二人に出しているところである。
「何か雰囲気のいい店だな」
 博士はその光景を見て言った。
「ああ。笑いがある場所というのはいい」
 村雨も言った。博士が時間をかけて飲んでいるのに対して彼はすぐに飲み干した。感覚が常人とは異なっているのだ。
 立花もそれに気が付いた。そしてライダー達に似ていると思った。
(まさかな・・・・・・)
 だが口には出さなかった。ただ彼を見ているだけである。
「どうした?」
 村雨はその視線に気付いた。そして彼に話しかけた。
「あ、何でも。それにしてもお兄さんいい体格してるね。何かスポーツでもしていたの」
「それは・・・・・・」
「あっ、彼は昔ラグビーをやっていまして。それでこんな身体になったんです」
「へえ、ラグビーですか。またえらくハードなやつですね」
 立花はその話を聞いて言った。だが内心違う、と思っていた。
「さて、もうすぐ城南大学だ。これを飲んだらすぐに行くか」
 博士はコーヒーを口に入れながら村雨に言った。
「ああ」
 村雨はそれに対し答えた。城南大学と聞いて立花の目の色が変わった。
「城南大学へ行くんですか?」
「ええ。何かご存知で?」
 博士は立花の思わぬ様子にいささか驚いた。
「いえ、誰かに会うのかと思いまして」
「ええ、実はあちらにいる海堂博士に会いたいと思いまして。実は学生の頃からの友人でして」
「そうなんですか。博士の」
 立花は妙に頷いて答えた。
「はい。若い時はよく一緒に朝まで飲みましたね」
 彼は笑いながら言った。
「そうですか、実は私も海堂博士とは知り合いでして。よくこの店にも来てくれるんですよ」
「ほお、そりゃあ奇遇ですね」
 博士は顔を綻ばせて言った。
「じゃあ彼には伝えておきますよ。行きつけの店に入ったと。美味いコーヒーの店を持っていていいなと」
「宜しくお願いしますよ。最近忙しいのかあまり来てくれなくて」
「わかりました、それでは彼に伝えておきます」
 彼はそう言うと村雨と共にお金を払って店を後にした。立花は二人の後ろ姿を見ながら思った。
(まさかとは思うが・・・・・・)

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