海魔泳ぐ海
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た。
「ご苦労、何かあったか?」
その椅子に座っている者が問うた。浅黒い肌をしたやや小柄な東南アジア系の男である。白いカッターに黒いズボンといった動き易い服装である。
「はっ、今しがたあの男の存在を確認しました」
戦闘員は言った。
「神敬介か。やはり色々と調べ回っているようだな」
男は頷いて言った。そして席を立った。
「あの男が来る事は予想していた。海ならばあの男が出て来ない筈がないからな」
階段を降りる。そしてモニターの前に来た。
「チャクリット=サワナーン、いやカニロイドよ」
その途端モニターから映像が現われた。暗闇大使が出て来た。どうやら本部から通信を入れてきたようだ。
「おや、暗闇大使。今そちらに連絡を入れようとしたところでしたのに」
カニロイドと呼ばれたその男は軽い笑みを浮かべて言った。
「そうか。ならばわしの言いたい事もわかるな」
暗闇大使は頷いて言った。
「はい。神敬介がこの瀬戸内に姿を現わした事についてですね」
「そうだ。すぐにあの男を消すのだ」
「勿論です。このカニロイド、必ずや神敬介、いや仮面ライダー]を倒して御覧に入れましょう」
カニロイドは顔を引き締めてモニターの暗闇大使に言った。
「頼むぞ、既に五人の同志がライダー達に倒されているからな」
暗闇大使はそう言うと顔を険しくした。
「五人・・・・・・。というとクモロイドもやはり・・・・・・」
「そうだ。遺体は三影が回収したがな」
「回収出来ましたか。ならばまだ救いがありますね」
カニロイドは少し安堵した顔で言った。
「うむ。だがライダー達により被害は拡大する一方だ。この辺りで食い止めなければな」
「その役目、見事受けさせて頂きましょう」
カニロイドは暗闇大使に対して言った。
「頼むぞ、]ライダーは水中では無類の強さを発揮するがな」
「それはこのカニロイドも同じこと」
彼はそう言うとニヤリ、と笑った。
「フフフ、そうであったな」
暗闇大使もそれを見てニヤリと笑った。
「それでは吉報を期待している。必ずや]ライダーの首を挙げるようにな」
「このカニロイドの名にかけて」
「うむ、頼んだぞ」
暗闇大使はそう言うとモニターから姿を消した。モニターは再び真っ黒になった。
「それでは行くか、]ライダーを倒しに」
カニロイドは戦闘員達のほうへ顔を向けて言った。
「ハッ」
戦闘員達はそれに対して敬礼した。そしてカニロイドに続いて基地を後にした。
神は大島にある旅館で役と共に泊まっていた。そこを拠点にして捜査しているのである。
「やはりどの船も同じですね。下から襲われています」
役がノートパソコンに映し出した船の写真を見ながら言った
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