暁 〜小説投稿サイト〜
仮面ライダーZX 〜十人の光の戦士達〜
海魔泳ぐ海
[16/16]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
イドは]ライダーを睨み付けて言った。
 「俺は海に生まれ育ち海の力を得た改造人間、陸では死なぬ」
 そう言うと海辺のほうへ後ろ向きに歩いていった。
 「俺が死ぬ場所はただ一つ、海のみだ。この雄大なる大海原こそが俺の墓場だ!」
 彼はそう言うと跳躍した。
 「また会おう、]ライダーーーーーッ!」
 遠くの海で大きな爆発が起こった。カニロイドはこうして倒れた。
 「自らの愛する海を死に場所に選んだか。敵ながら見事な奴だ」
 ]ライダーはその高く上がった水飛沫を見ながら言った。こうして瀬戸内の戦いは終わった。
 
 「そうですか、敵ながら潔い奴でしたね」
 基地も破壊した。帰りのクルーザーの中で役は神に言った。
 「ええ。その考えには俺も共感できますね」
 神は言った。本心からであった。何故なら彼も海の男なのだから。
 「そうですか。やはり」
 役はその言葉を聞いて微笑んだ。
 「では今から呉に行きましょう。そこで心ゆくまで勝利の美酒を味わうというのはどうですか」
 「あ、いいですね」
 神はその誘いに乗った。
 「それでは」
 役は舵を呉へ向けた。船はそれに従い進路を変えた。
 それを遠くから見守る影があった。
 「行ったか」
 それは戦闘員であった。海の中から顔を出している。
 「では今のうちに撤退するか」
 別の戦闘員が顔を上げた。どうやらあの戦いでの生き残りのようだ。
 「いや待て。カニロイド様のご遺体を回収せねば」
 「それは既に別の者が向かった。もう発見している頃だろう」
 「そうか。ではそちらへ向かい合流するとしよう」
 「うむ。そして本部へ戻るとするか」
 「ああ」
 彼等は再び海の中へ沈んだ。そしてその中に消えていった。

 海魔泳ぐ海   完


                             
          2004・1・11


[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ