海魔泳ぐ海
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イドは]ライダーを睨み付けて言った。
「俺は海に生まれ育ち海の力を得た改造人間、陸では死なぬ」
そう言うと海辺のほうへ後ろ向きに歩いていった。
「俺が死ぬ場所はただ一つ、海のみだ。この雄大なる大海原こそが俺の墓場だ!」
彼はそう言うと跳躍した。
「また会おう、]ライダーーーーーッ!」
遠くの海で大きな爆発が起こった。カニロイドはこうして倒れた。
「自らの愛する海を死に場所に選んだか。敵ながら見事な奴だ」
]ライダーはその高く上がった水飛沫を見ながら言った。こうして瀬戸内の戦いは終わった。
「そうですか、敵ながら潔い奴でしたね」
基地も破壊した。帰りのクルーザーの中で役は神に言った。
「ええ。その考えには俺も共感できますね」
神は言った。本心からであった。何故なら彼も海の男なのだから。
「そうですか。やはり」
役はその言葉を聞いて微笑んだ。
「では今から呉に行きましょう。そこで心ゆくまで勝利の美酒を味わうというのはどうですか」
「あ、いいですね」
神はその誘いに乗った。
「それでは」
役は舵を呉へ向けた。船はそれに従い進路を変えた。
それを遠くから見守る影があった。
「行ったか」
それは戦闘員であった。海の中から顔を出している。
「では今のうちに撤退するか」
別の戦闘員が顔を上げた。どうやらあの戦いでの生き残りのようだ。
「いや待て。カニロイド様のご遺体を回収せねば」
「それは既に別の者が向かった。もう発見している頃だろう」
「そうか。ではそちらへ向かい合流するとしよう」
「うむ。そして本部へ戻るとするか」
「ああ」
彼等は再び海の中へ沈んだ。そしてその中に消えていった。
海魔泳ぐ海 完
2004・1・11
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