海魔泳ぐ海
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が祭られていると聞くが」
彼はそう言うとニヤリ、と笑った。
「あの男をその生け贄にしてやろう。いや、偉大なる我等が神への生け贄か」
彼の元の国の宗教とは異なる考えをあえて言った。それは彼が最早その国の者、いや人ではないことを現わしていた。
「行くぞ、奴等を今度こそ倒す」
「ハッ」
彼等は基地を後にした。そして神敬介を倒すべく出撃した。
神と役は厳島の近くの島を捜索し終えた。そして島を離れた。
「ここでもありませんでしたね」
役はクルーザーの上で島から戻って来た神を迎えつつ言った。
「ええ、けれどこれでまた一つ絞れましたね」
神は彼に対して笑って言った。
「ええ。残るは僅かです」
「そうですね。あとは・・・・・・」
神は地図を広げた。
「二つ三つです。いよいよ連中の息の根を止められますよ」
「はい、行きましょう」
二人はクルーザーのエンジンを入れた。そして海へ向かって進んでいった。
海は青い。果てしなく青い。その雄大な景色はそれだけで見る者を魅了する。
「それにしても綺麗ですね」
役はそれを見ながら目を細めて言った。
「ええ。青い海に緑の島。まるで神が描いたみたいな光景ですね」
神もそれに対して言った。
「俺が水産大学に入ったのはこの景色をずっと見たかったからなんですよ」
「ほう、そうだったんですか」
「ええ。船に乗って海を見ていたい。だからこそ入ったんです。将来は漁師にでもなるつもりでした」
「漁師ですか、神さんが」
役はおかしそうに言った。
「あれっ、変ですか?」
「ええ、まあ。どちらかというと船長のほうが向いているかな、と思いまして」
「よく言われますけどね。ただそっちのほうが海を間近で見られますし」
「成程、それで漁師ですか」
「はい。まあ今はこうやってライダーになりましたが」
「はい・・・・・・」
役はその言葉に言葉を曇らせた。
「おっと、それは別に哀しくはないですけどね。こうして海を見れるんだし。ただ戦いが無くてずっと海を見ていたいな、と」
「それはバダンを倒してからですね」
「はい」
目標とする島まであと一時間のところまできた。すると海面に何かが浮き出てきた。
「海豚?違うな」
神が覗き込んだその時だった。それは不意に船の上に飛び上がってきた。
「ムッ!」
それはバダンの戦闘員であった。次々に船の上へ飛び上がってくる。
神と役は操縦を止め戦闘員達に立ち向かった。狭い船の上で戦いが始まった。
二人は戦闘員達を次々と倒し海の中へ落としていく。対する戦闘員達は数を活かしきれず倒されていく。
「カニロイド、何処だっ!」
神は叫んだ。その彼の足首を誰かが掴んだ。
「う
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