魔虫の潜む街
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?」
不意に声がした。そして二人の前に髭を生やした男が現われた。
「バダンか」
結城は彼を睨みつけながら問うた。
「いかにも。バダンの改造人間の一人クモロイドだ」
彼の後ろから無数の戦闘員達が姿を現わしてきた。
「目的は御前達と同じだ。そしてその為に貴様等には消えてもらう」
その言葉に呼応するかのように戦闘員達が二人を取り囲んだ。
「ほう。そして刀を手に入れどうするつもりだ」
結城は戦闘員達に臆する事なくクモロイドを見据えて問うた。
「知れた事。その力を我等の為に使うのだ。自身で飛び回り全てを斬るその力をな」
クモロイドはニヤリと笑って彼に言った。
「そう上手くいくかな。あの刀は悪を斬る為に動く刃。貴様等では首を刎ねられるのがオチだ」
「我々の力を甘く見てもらっては困るな。刀の意思を抑える事など造作も無い事」
「そう上手くいくかな」
「残念だがそれを貴様に言うつもりは無い。何故なら貴様等はここで死ぬからな」
そう言うと戦闘員達が襲い掛かって来た。二人は左右に散った。
二人は襲い来る戦闘員達を倒していく。戦闘員の一人が吹き飛ばされ池に落ちる。
結城が拳を繰り出してきた戦闘員の腕を取った。そして地面に叩き付けた。
「ほう、情報通りだな。腕を上げている」
クモロイドはそれを見て笑った。
「だがそれが私に通用するかな。バダンの改造人間の力見せてやろう」
そう言うと目が変わった。人の目から蜘蛛の目になった。
そして口が蜘蛛の牙になる。全身が黒と黄の毛に覆われる。
両手の甲から鋭い刃が生え脇から左右二本ずつ小さい足が生えてきた。その姿はまごうかたなく蜘蛛のものだった。
「・・・・・・それが貴様の正体か」
「そうだ。最後によく見ておくがいい。この姿をな」
クモロイドはそう言うと口から何かを噴き出した。それは白い糸だった。
「なっ!」
糸は結城を包んだ。そして激しく締め付ける。
「結城さん!」
竜が叫んだ。だが結城の声は返ってこない。その代わりにギリギリと何かを締める音がする。
「そろそろだな」
クモロイドが笑った。勝利を感じた笑みだった。
だがその糸が突如として破られた。中から結城が跳び出て来た。
「ムッ!」
それは結城ではなかった。結城が変身した姿、ライダーマンであった。
「甘かったな。この程度の糸なら抜け出すのはわけない」
右手を出す。そこにはパワーアームがあった。
「そうか、アタッチメントを使ったか」
クモロイドはそれを見て冷静に言葉を発した。
「そうだ、如何に強い蜘蛛の糸でもこのパワーアームの前では無力な布と同じだ」
「ほう、私の糸を布と同じと言うか」
クモロイドは不敵に言った。
「面白い事
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