魔虫の潜む街
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を言ってくれる。それではこれを受けてみるがいい」
そう言うと口から再び糸を噴き出してきた。
今度は針のように小さく細い糸だ。まるでマシンガンのように糸を出す。
「ムッ」
ライダーマンはそれを横に跳びかわす。糸は池に入り機銃掃射のように水面を波立てる。
「どうだ、これでもまだ布だと言うか」
クモロイドは自信に満ちた声で言った。ライダーマンはそれに答えようとしない。無言で右手のアタッチメントを換装する。
「マシンガンアーム!」
右手をマシンガンに換えた。そしてそれでクモロイドを撃つ。
「ムッ」
クモロイドはそれを跳躍でかわした。そして後ろの木の上に着地する。凄まじいジャンプ力だ。
「成程な。噂に違わぬ強さだ。むしろデータより動きがいいな」
クモロイドは木の上に立ちながら言った。その距離ではマシンガンで狙おうにも射程が定められない。
「マシンガンアームで狙おうにも無駄だ。その距離では射程も定まらんだろう」
「クッ・・・・・・」
それは怪人も予想でぃていた。ライダーマンは歯噛みする。
「ここは退こう。こちらも損害を出し過ぎた。戦力を立て直す必要がある。だが覚えていてもらおう」
クモロイドはライダーマンを見下ろしながら言った。
「国切を手に入れるのは我がバダンだ。そして貴様は我等の前に膝を屈することになる」
そう言うと天高く跳躍した。
「その日を楽しみにしているがいい。ハハハハハ・・・・・・」
クモロイドはそう言い残して姿を消した。見れば他の戦闘員達も既に姿を消している。
「行きましたね、連中は」
竜はライダーマンの許に駆け寄ってきた。
「ええ。それにしてかなり強力な奴ですね」
ライダーマンはまだ先程まで怪人がいた木の上を見上げている。
「バダンの怪人クモロイドか。今まで蜘蛛の改造人間は結構いましたけれど」
竜の言う通りである。ショッカーの頃より歴代の組織の多くは蜘蛛の改造人間を作っている。ライダーマン自身もデストロンにおいて蜘蛛に毒針を取り付けた怪人ドクバリグモを開発している。
「これまでのどの蜘蛛の怪人よりも強力なようですね。あの糸と跳躍力はかなりの脅威です。それに」
「それに・・・・・・?」
ライダーマンは言葉を続けた。竜はそれについて尋ねた。
「蜘蛛の力はあれだけではありません。おそらくまだ隠している力がある筈です。油断は出来ませんよ」
「・・・・・・はい」
竜もそれは感じていた。これからの国切の捜索は彼等ろの命懸けの死闘になる事も覚悟した。
二人はその後大乗寺に向かった。この寺は七〇〇年以上の歴史を誇り前田家の重臣本多家の菩提寺でもあった。その為何らかの手懸かりがあると思ったからだ。
「ほう、国切の・・・・・・」
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