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仮面ライダーZX 〜十人の光の戦士達〜
魔虫の潜む街
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何かと感情的なもつれもあったようだ。
 利家は信長の下で勲功を挙げていった。そして織田家筆頭家老柴田勝家の下で上杉家との戦いに参加した。そして上杉を越後の国境まで追い詰めた。丁度その時だった。
 本能寺の変が起こった。腹心の一人明智光秀のあまりにも不可解なクーデターにより織田信長は炎の中に消えた。そしてその光秀も羽柴秀吉に天王山の戦いで破れ敗死した。
 信長の実質的な後継者争いが始まったがここで柴田勝家と羽柴秀吉が対立した。利家は最初能登に領地を持ち勝家の下にいた事から勝家についた。だがここで彼の人間関係が影響した。
 実は彼は秀吉とは若い頃より付き合いがあった。お互い貧しい頃より交流がありそれぞれの夫人達も仲が良かった。
 それに加え秀吉は天下無双の人たらしであった。彼はその人たらしの才能と彼との古くからの付き合いを表に出した。その上で彼を自分の傘下に収めようとしたのである。
 彼の軍と秀吉の軍が対峙した時の事であった。秀吉は自分の陣から出て来た。そして彼に自分の下へ来るよう説得したのだ。
 これには彼も驚いた。そして秀吉との古くからの交流を思い出した。だが勝家との事もある。彼は迷った末秀吉についた。
 それを勝家は咎めようとはしなかった。織田家きっての武の持ち主であり男気で知られる彼は黙ってそれを許したのである。これは利家と秀吉の仲を知っており最初からそれを覚悟していた事もあった。
 結果として勝家は秀吉との戦いに敗れた。そして北ノ庄城で主君信長の妹であり夫人である絶世の美女お市の方と共に自害し炎の中に消えて果てた。
 彼はその後秀吉の側近、いや盟友としてその側にあった。かっての豪胆さだけではなく常に算盤を持ち歩き考え込む思慮深さも備えるようになりその人望は徳川家康のそれに匹敵するものであった。事実五大老の一人となった時は天下を望もうとしていた家康と対立を深めていた。戦国、安土桃山にその名を残す武将の一人である。
 その彼により開かれたのが金沢である。古くより加賀百万石の城下町として栄え武家屋敷が立ち並んでいる。その街並みは美しく整然としており見る者の心を楽しませる。北陸の地にその繁栄を偲ばせる美しい街である。
 今この街に一人の男がいた。結城丈二、ライダーマンである。
 結城は金沢東別院にいた。ここは東本願寺の金沢の別院でありその歴史は戦国時代にまでさかのぼる事が出来る。かっては一向一揆の拠点にもなった。加賀はかっては一向一揆に支配され織田信長と激しく争った歴史がある。
 その門の天井には龍の絵が描かれている。木村杏園の描いたものである。
 「見事な絵だな」
 結城はその絵を見上げて呟いた。彼は科学畑を歩いてきたがこうした絵画も嫌いではない。
 「それにしてもこんなところで待ち合わせとはな。一体誰なんだ」
 結城は絵
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