雪原の花
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力がある。それを忘れていたな」
「た、確かに・・・・・・・・・」
バラロイドは苦しい声で言った。
「毒ガスを受けた時に咄嗟に閃いたが。おかげで命拾いした」
「くっ、ぬかったわ・・・・・・」
バラロイドは人間の姿に戻った。腹からは緑の血を流し続けている。
「私の負けよ、仮面ライダーX3.だけどこれだけは覚えておくのね」
最後の力を振り絞り声を発する。
「最後に笑うのはバダン。これは覆る事は無いわ」
そう言うとニヤリ、と笑った。
「また会う時を楽しみにしているわ。その時は貴方が死ぬ時だけれどね」
そして左手に一輪の黒薔薇を出した。
「それではその時までさようなら」
薔薇が散った。そこから無数の花びらが生じる。バラロイドはその中に消えていった。
「また会う時だと・・・・・・・・・」
X3は呟いた。闘いに勝利しても心は晴れなかった。
「・・・・・・・・・バラロイドも敗れたか」
暗闇大使はモニターを見上げつつ呟いた。
「ハッ、立派な最後でした」
戦闘員の一人が敬礼をして言った。
「うむ。死体は回収したのであろうな」
「はい。カメレオロイド、ジゴクロイド、トカゲロイドと同じく地下の改造室に保管してあります」
「そうか、ならば良い」
暗闇大使は安堵の色を込めて言った。
「またあの者達には働いてもらわねばならん。まだ死んでもらっては困るのだ」
「ハッ」
戦闘員はその言葉に対し敬礼した。
「ライダー達よ、見ておれ。いずれ我がバダンの無敵の戦士達と究極の兵器が貴様等の前に立ちはだかる。その時貴様等は苦悶と絶望の中息絶えるのだ。バダンが世界を征服するのを見ながらな」
そう言うとニヤリ、と笑った。邪な笑いがその場を支配した。
「小樽ともお別れだな」
風見は佐久間に対し駅のホームで列車を待ちながら言った。
「ええ、寒いですけれどいい街でしたね。景色も綺麗だったし」
「おっ、食べ物の事は何も言わないのか」
風見は悪戯っぽく笑って問い掛けた。
「そ、そりゃあ食べ物も良かったですよ。寿司もホテルの食べ物も美味しかったし」
佐久間は照れ臭そうに笑って答えた。
「ははは、健はそうじゃなくちゃな」
風見は笑って言った。
「からかわないで下さいよ、もう」
佐久間は困ったような顔をして言葉を返した。
「悪い悪い、しかしこれで小樽でのバダンの活動は失敗に終わったな」
風見は表情を引き締めて言った。
「ええ。まだまだ奴等の暗躍は行なわれるでしょうけど」
佐久間も顔を真摯なものにした。
「おそらくこの日本でも暗躍している奴が大勢いる筈だ。これは他のライダー達に任せるしかないが」
「やってくれますよ、皆。だってライダーで
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