火吹き竜の島
[1/18]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「二人共もう沖縄に着いたかしら」
アミーゴの奥の通信室で誰かが話をしている。
「そうだなあ、もうそろそろ着いている頃だろう」
立花の声だった。
「けれどあの二人が一緒になるなんて日本じゃ久し振りね」
もう一方は女の声である。純子だった。
「おいおい、何言ってるんだ。ついこの前まで全ライダーがここにいたんだぞ」
「えっ、それ本当!?」
後ろから別の女の声がした。二人いる。
「何だ、御前等も来ていたのか」
立花はその二人を見て言った。一人はジーンズを履いた黒いストレートのロングヘアーの女性、もう一人は癖のあるショートヘアーの膝までのスカートの女性である。
「あら、チコにマコじゃない。貴女達もおじさんとこに来てたの?」
純子が二人を見て言った。
「ええ、久し振りに遊びに来たんだけど店におじさんいなくて」
チコと呼ばれたロングヘアーの女性が言った。
「史郎さんに聞いたらお店の奥にいるって言われて。まさか純子もここにいるなんて思わなかったわよ」
マコと呼ばれたショートヘアーの女性がそれに続いた。
「ええ、まあ。ちょっとおじさんのお手伝いをしているの」
「お手伝いって・・・・・・。アルバイト?」
「う〜〜ん、まあそんなとこかな」
チコの問いに純子が考えながら言った。
「何か話を聞いていたら・・・御前等知り合いか?」
立花が三人に尋ねた。
「はい。城南大学で同じ学部に在籍しているんです」
マコが言った。
「文学部です」
純子が言った。
「文学部か。じゃあルリ子の後輩にあたるわけだな」
立花がパイプを口から離し手に持ちながら言った。
「あ、はい。そういえばそうですね」
純子が少し驚いた様子で答えた。
「本郷も志郎も茂もあそこの大学だったしなあ。どうもわしはあそこの大学と縁があるな」
立花は考える顔をして言った。
「あら、敬介さんは沖縄の水産大学でしょ」
チコとマコが言った。
「隼人さんも丈二さんも別の大学だった筈だし」
純子も相槌を打つように言った。
「まあそれはそうだけれどな。ところで御前等一体何をしにここに来たんだ?まさか単に遊びに来たわけじゃないだろう」
立花は二人にあらためて言った。
「はい。何かまたおかしな組織が出て来たらしいし」
「私達に出来る事はないかなあ、って思って」
二人は言った。
「察しがいいな。やっぱりゴッドと渡り合ってきたときの事を思い出したか」
「まあ大体は。史郎さんあたし達がお店に入ったら急に態度変わるし」
「そうそう、何かお店に一人でいるのが凄く怖いみたい。それであたし達が入って来たら凄く嬉しそうだもん」
「・・・あいつは気が小さいからなあ。悪い奴じゃねえんだが」
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ