火吹き竜の島
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でいるより二人の方がより心強いし」
「うん、ルリ子さんの言う通りだ」
本郷はルリ子の言葉に頷いた。
「多分おやっさんも何か考えがあって俺達をここに行かせたんだろう。おそらくかなりの強敵がいる筈だ」
一文字がそれまで笑みを浮かべていた顔を引き締めた。
「ああ、そうだろうな。俺達が一緒になる時はいつもそうだからな」
本郷は言った。事実彼等が共に戦う時はいつもその前に強敵が立ちはだかってきた。
「行こうぜ、本郷。ここで話しているより捜査をした方がいい」
「ああ、一文字」
二人は港を後にした。その後ろを滝とルリ子がついて行く。
沖縄の青い海の底にそれはあった。一見難破船の残骸に見える。しかしそれは難破船ではなかった。
船の中には階段がある。それは巧妙に隠されているがさらに深く続いていた。
それを降りていく。そうすると灯りが見えてくる。
「九州の方はどうなっている」
その基地の奥の方から声が聞こえて来る。低い男の声だ。
「はっ、今だ連絡が取れていません」
報告する声が聞こえる。それは分厚い鉄の扉の向こうから聞こえて来る。
「そうか。どうやら異変があったらしいな」
浅黒い肌を持つ縮れた黒髪の男が言った。先程九州の事を問うていた男のようだ。
赤いカッターを着ている。そして黒いスラックスと黒革靴を履いている。
手や耳にブレスレットやイアリングを着けている。それが妙に派手で目につく。
「長崎、桜島両方共音信不通です。作戦成功であれば良いのですが」
報告しているのは戦闘員である。どうやらここもバダンの基地のようだ。
そこは指令室であるらしい。潜水艦の内部のようだがそれよりは広い。鉄の管が天井に走り四方の壁に機械がある。
「本部からは何と言っている」
男が戦闘員に問うた。
「今のところ連絡はありません。こちらから連絡しても返答はありません」
「そうか・・・・・・一体どうなっているんだ」
男は口に右手を当て考え込んだ。その時部屋の扉が開いた。
「誰だ」
入ってきたのは戦闘員だった。
「御前か。一体どうしたのだ」
警護に当たっている戦闘員の一人だ。彼の部下の一人である。
「来客です」
その戦闘員は答えた。
「来客?」
男はいぶかしんで聞いた。
「はい。如何なされますか」
「通してくれ」
「はい」
戦闘員は敬礼して退室した。そして一人の男を連れて来た。
「御前は・・・・・・・・・」
黒い皮のジャケットを着たリーゼントの男である。サングラスをかけている。三影だった。
「一体何のようだ」
彼はこの男の事をあまり知らない。同じバダンにいても彼とは全く異なる系列に属しているからだ。
「暗闇大使からの伝言を伝えに来
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