第十二話 聖杯の主その八
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「いないけれど」
「まさか姿がないのか」
「いや、それは有り得ない」
五人の中ではハイドが最も冷静だった。それでこう述べたのだった。
「絶対にだ」
「その通りだ。私はだ」
ここで、であった。その彼が姿を現わしてきた。豊かな金髪を後ろに撫でつけ彫の深い顔をしており細く鋭い青い目をしている。肌は白くそれが金髪と青い目に実によく合っている。引き締まった長身を黒い服と白いマントで覆っている。その彼がそれぞれのチームの前に出て来たのである。
そしてだ。彼はこう名乗った。
「私の名はパルジファル」
「パルジファル!?」
「じゃあ貴方が」
「そうだ。聖杯城モンサルヴァートの主」
自らこう名乗ってみせた。
「それが私の名であり責務なのだ」
「遂に出て来たんだな」
「そうね」
魁に対して芳香が突っ込みを入れる。
「しかしマジトピアと関係あると思ってたけれど」
「この姿は違うのね」
「私はマジトピアも知っている」
パルジファルは彼等に応える形で述べた。
「だが知っているのはそれだけではない」
「っていうと」
「他の世界も知っているのか」
「そうだ」
今度は麗と翼の言葉に応えていた。
「マシンワールドもダイナアースもだ。そしてガオズロックも知っているし忍の世界もだ。他の様々なこと、そう」
「そう?」
「まさかとは思うが」
「そのまさかだ。君達全てのことを知っている」
また麗と翼に応えたのだった。
「私は。宇宙のことも知っていれば他の世界のことも何もかもを知っている。知ることがかつての私の試練でありやらなければならないことだったからだ」
「?どういうことなんだそれって」
薪人はパルジファルの今の言葉に眉を顰めさせた。
「試練とかやらないといけないって」
「確かパルジファル王は」
ここでヒカルが説明してきた。
「ロンギヌスの槍を手に入れてから聖杯城に戻るまでにあらゆる世界を回ることになった。そうしてそのうえで多くのものを見てきた。そうですね」
「そうだ」
まさにそうだと返す彼だった、
「私はそれにより知った。あらゆる世界のことを」
「そうですね。時空も何もかもを超えて」
「君達のそれぞれの戦いも見てきた」
それもだというのだ。
「過去も現在も未来も。そして異なる世界のこともだ」
「私の戦いも」
「アスカ、ダイナアースの誇り高い戦士」
アスカに対しても応えられた。
「君のこともまた見てきた」
「そうですか。やはり」
「今のダイナアースの平和があるのは君の力だ」
「いえ、仲間達がいたからです」
しかしアスカは真剣な顔でこう返したのだった。
「だからそれは」
「そう言えることこそがだ。君がそれができた証だ」
「そうなのですか」
「君だけではない。誇り高
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