第十二話 聖杯の主その七
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「そんな気がする」
「関西巡りの最後は一体」
「何処なのかしら」
「神戸行きたいね」
サタラクラは何気に自分の希望を言う。
「それで明石焼き食べたくない?」
「私はカレー」
「そうよね。あの長田のスジ肉カレー」
二人の希望はそれだった。カレーを食べたいというのだ。
「ぼっかけだったかしら」
「あれ美味しそうよね」
「そうだな。この者達にもいい差し入れだ」
マゲッパの者達も楽しそうにそれぞれお握りだの何だのを食べながらくつろいでいる。ウガッツ達と同じく実に平和で明るいものである。
「カレーはいいものだ」
「まあこれからどうなるかわからないけれどね」
「まだ聖杯の場所もわからないから」
こんな話をしながらシンケンジャーの面々を見ながら楽しいくつろぎの時を謳歌していた。しかしここでだった。突如として異変が起こった。
「これは!?」
「まさか」
亀石のところにいたゴセイジャーの面々がだ。その亀石が白銀の光に包まれるのを見たのだ。
「何これ」
「一体」
「どういうことなの!?」
「これは」
リーダーのハイドがここで驚く四人に対して言う。
「聖杯の光だ」
「えっ、聖杯って」
「まさかここで!?」
「ここにあったのか」
エリとモネ、アグリがそれぞれ声をあげた。
「いや、ここにはない」
「えっ、けれど」
しかしここでアラタがハイドに問う。
「この光は聖杯の光だよね」
「そうだ、それは間違いない」
「けれどそれでもここにはないっていうのは」
「全てはない」
ここでまた言うハイドだった。
「一部だけがあるのだ」
「聖杯の一部だけが」
「それだけが」
「そうだ、聖杯は意志を持っている」
このことが重要なのだった。そしてなのだった。
「それぞれに分けることもできたんだ」
「それで今は」
「その一部がこの亀石に」
「そうだ。出て来る」
ハイドはその亀石を見ている。するとだった。
光る石の上にそれが出て来た。白銀の光を放つ水晶を思わせる眩い杯がだ。それが浮かび上がってきたのである。
「これが聖杯・・・・・・」
「本当に明日香にあったんだ」
「この場所に」
それを見ているのは彼等だけではなかった。他の面々もだ。それぞれの遺跡においてその聖杯を見てだ。彼等は言うのであった。
「聖杯が出て来た」
「遂にだけれど」
「一部となると」
「じゃあまだ何かが」
「この時代の戦士達よ」
そしてであった。誰かの声が聞こえてきた。
「よくわかったな」
「えっ、この声は」
「まさか」
「そうだ、私がだ」
声はまた言ってきた。
「聖杯を預かる者だ」
「パルジファルか」
アラタがその名前を呼んだ。
「そうだな。貴様が」
「そうだ」
その通り
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