第十二話 聖杯の主その三
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「皆美味しいのなら楽しんで」
「ああ、それじゃあな」
「皆今は」
こうして全員で飛鳥、奈良時代の御馳走に美酒を楽しむ。宴はまだ続くがその中で、だった。
「あれっ、そういえば」
「結局聖杯はどういう形なんだ?」
「わからなかったわよね」
皆それはわからずじまいだった。館長もだ。
「そういえば忘れておったのう」
「どうやって探そう」
「よく考えたら確かな形も色も材質もわかってないのに」
「どうすれば」
皆今更言う。本当にそうだった。
しかしであった。ここでアラタが言うのだった。
「いいじゃない、探していればそのうち見つかるよ」
「ううむ、物凄い言葉を聞いたね」
ワイバーンは彼の今の言葉を聞いて呆れていた。
「君さ、それで見つからなかったらどうするのかな」
「大丈夫よ」
今度はエリが明るい顔で言ってきた。
「これだけ皆で必死に探してるんだし。絶対に見つかるから」
「俺達が見つけるとは考えていないみたいだな」
「そうだな」
イフリートとサイクロプスはすぐにそのことを察した。
「どうやらな」
「困ったことだ」
「いや、っていうか」
「あんた達もなあ」
「見つけられるかどうか」
戦隊側も負けていない。こう言い返す。
「無理だろ、絶対に」
「毎回毎回馬鹿ばっかりやってるしな」
「それじゃあ」
「全く以て失礼な奴等でおじゃる」
ケガレシアは口を尖らせむくれた顔になって言い返した。
「全く。どういうつもりでおじゃるか」
「いや、っていうか」
「自分達のこと振り返ったら」
「そういうことはとても」
「言えないんじゃ」
「ふん、言いたいだけ言えばいいさ」
メデューサが言い返す。
「聖杯を手に入れるのはあたし達だからね」
「どうだかなあ」
「それは」
やはり彼等の言葉は戦隊の面々には信じられない。そうしてである。
彼等はその中でだ。また食べはじめた。
乳製品を食べる。するとだった。
「んっ!?これって」
「美味しい?」
「そうよね」
皆で話すのだった。
「この醍醐って」
「酪も」
「へえ、こういう味だったんだ」
「意外」
「こうした味は今はない味ですなあ」
アクマロも食べながら満足そうに言う。
「和食には乳製品がないさかい」
「ふむ、こういう味だったか」
爺も食べている。彼もまた丈瑠達についてきているのである。彼等の絆も強いものであるのだ。特にこの爺と丈瑠のものもである。
「今まで知らなかった」
「爺もだったのか」
「はい、先程あのアクマロが話した通り」
そこから話すのだった。
「今の和食にはないものですから」
「そうだな。牛乳自体がない」
「左様です。徳川光圀はチーズを食べていたそうですが」
「そうだな。あの殿
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ