第55話 龍と蘭の旅立ち
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た私は麗羽達、星達に旅の仕度をするよう指示を出しました。
懸念したのが星達の馬がないことです。
仕方ないので当面は真桜と沙和の馬にそれぞれ相乗りして貰うことにしました。
旅支度を終えた私達は村人総出の見送りを受けました。
「劉正礼様、この度のご恩は終世忘れませぬ。趙雲、夏侯蘭よ。劉正礼様、しっかりお仕えするのだぞ」
村長は私に深く頭を下げ礼を述べると、星と水蓮を見て言いました。
「村長、この趙雲、わざわざ言われずともしっかりやりますぞ」
「村長、頑張って正宗様のお役に立ってみせます」
「それならばよい」
村長と星達が話ていると、趙覇が近寄ってきました。
「二人とも頑張るんだよ。まあ、寂しくなったら村に帰ってきな」
「母上、そのときはよろしく頼みますぞ」
「趙覇さんもお元気で」
その後、水蓮の両親が私に挨拶をしてきました。
両親は至って普通の人でした。
趙覇ほどインパクトはありませんでした。
彼女が両親との別れの挨拶を終えると私達は村を起ちました。
私達が馬で旅路を進んで数刻後、私はあることを考えていました。
大したことはありません。
猪々子達と別行動をとった時、彼女から頼まれたことです。
彼女から土産を沢山お願いされていました。
そろそろ用意して置かないといけません。
司隷州、エン州で土産を買うとあまり珍しい物はないので猪々子が拗ねそうです。
冀州にいる内に何か見繕いましょう。
猪々子が喜ぶのは食べ物でしょうが、食べ物は日持ちが悪いので悩みものです。
「星、水蓮、ちょっといいかい。土産を買いたいと思っているんだが、日持ちが良くて美味しい食べ物を知らないか?」
私は星と水蓮に聞いてみました。
「ふふふ、主。それでしたら最高の品がございますぞ!」
星は思わせぶりな態度で言いました。
彼女の態度に嫌な予感がしました。
恋姫の趙雲といえばアレです。
「主、これですぞ!」
星は拳大の壷を懐から出しました。
「それはなんだ?」
私は想像できましたが敢えて聞きました。
「よくぞ聞いてくださいました。これぞ人類の英知が作り出した。至玉の一品。メンマです」
星は自身満々に胸を張り私にメンマの入った壷を差し出しました。
予想していましたが、流石にこれを猪々子の土産にはできません。
「星、すまないがメンマ以外で良いものはないだろうか?」
「な、な、なんですと・・・・・・。メンマでは土産にならないというのですか!主、酷い、酷すぎますぞ・・・・・・」
星は雷を受けた様な表情をしました。
「別に、メンマが悪いと言っているわけじゃ
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