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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
動き出す世界
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いう規則の元に作られる謂わば最上位命令書でもある。
 その指令状を3人は開け中を確認し……

「「「え?」」」

 ほぼ同時に同じような声を上げることになった。


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 オーストラリア連邦首都、キャンベラ

 オーストラリア南東部に位置するこの首都はオーストラリア首都特別地域(ACT)と呼ばれ、どの州にも属さないオーストラリアの中でも数少ない直轄地である。赤道連合の拠点もここであり、またIS国営企業ジャクソン社もここに本社を置いている。
 南半球であるため日本とは四季が真逆であり、7月8月の最低気温は氷点下にも達し、12月1月の最高気温は40度を超えるというあまり気候条件の良くない場所でもあるが、逆にその環境があるからこそ、ISデータ収集に適しているとされてジャクソン社がここに置かれるようになっている。

 そしてそのジャクソン社内の一室。IS開発局長室では白髪に赤い瞳を持っ女性が唸り声を上げていた。と言ってもその声は綺麗であり聞く人を不快にさせるものではないのだが、逆に心配がらせてしまう声なのだ。
 そんな彼女の目の前にカップが置かれる。女性が顔を上げるとそこにはモウモウと湯気を立てるコーヒーと、それを持ってきた赤毛の大きな男性が立っていた。

「悩んでるな? アイシャ」

「当たり前でしょ。あと今は会社よ。ゼヴィア・カストさん」

「そうだな、アイシャ・カスト開発局長殿?」

 そう言いながらも顔が笑っているのが大男、ゼヴィアのいいところなのだが。アイシャはゼヴィアと結婚してよかったと思うのはこういう時だ。本人も外交と開発局で引っ張りだこの癖にこっちにまで気を回してくれる。それを他の人にもやってるから開発局の親父さんなんて呼ばれてるわけで、アイシャとしてはそこは少し自重して欲しいところだったりする。

「やはり問題は『ディープ・ブルー』の一件か?」

「ええ、こんなことなら送るべきじゃなかったわね。カルラに悪いことしちゃったわ」

「今更終わったことを言っても始まらないか……む」

 ゼヴィアの胸ポケットから携帯電話が音を立てる。ゼヴィアは取り出して発信相手を確認すると、深いため息ついた。

「すまない。また仕事だ」

「いいのよ。今はそっちの方が大変でしょうから」

「ああ、愛してるよ」

「私もよ」

 ゼヴィアはそう言うとアイシャの額にキスをして局長室を出て行った。アイシャはまた深いため息をつくと最愛の人が入れてくれたコーヒーを一気に飲み干す。舌が火傷しそうなほどの熱さと苦さがだれていた身体を一気に覚醒させてくれた。

「そうね。今は過去を振り返るより何が出来るか……か」

 アイ
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