第六話
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?」
「椛も大口をたたくよううになったなと思ったんですよ」
「なにをい……!?」
反論しようとした椛は、異変を感じしゃべるのをやめてしまった。
目の前には文の姿はある。だが、さっきのような異様なオーラは出ておらず、それどころか生命感を感じさせられなかった。
椛はそんな文を見ながら、鳩が豆鉄砲をくらったような顔をしていた。
そんな彼女の首元に、残像を出しながら近づく手があるにも関わらず。
「うぐっ!?」
突然、衝撃が彼女の首元を襲い、その勢いで椛の体は思いっきり壁に打ち付けられた。
「あ……あが……」
「……」
首元をつかまれ苦しそうにもがく彼女を、文は冷酷な視線で見ていた。
「私のことを悪く言うのはかまいまわない。けど、私たちがやっている仕事を侮辱するのだけはやめなさい」
「う……ぐ……あ……あや……さん……だって……そうじゃ……ない……で……すか……」
「……なにを」
「だって……いつも……私たち……白狼……天狗のこと……侮辱す……るような……言い方をして……るじゃない……ですか」
「……」
文は無言のまま椛をじーっと見つめると、ふと何かを思ったかのように表情を元に戻し手を放した。
解放された椛は、大きくせき込んでいたが文をずっと睨みつけていた。
(白狼天狗を侮辱するですか……前にはたてにも同じようなことを……言われましたね)
文は数年前のある出来事を思い出していた。
数年前 妖怪の山
「なんでまた人間を勝手に中にいれたんですか!?」
森の中には、大きく腹をたてた白狼天狗と怒られながら反省の色がない烏天狗、そして、その二人をみながら呆れる烏天狗の姿があった。
「いや〜すいませんね〜急ぎの用事だったものでして」
「どれだけ急ぎでもまずは了承を得るようにと前に言いましたよね!?」
「あはは……」
「なんで文さんと言い他の烏天狗の方々と言い……勝手なことばかりするんですか?あとで責任を負うのは私たち白狼天狗ですよ!?そこはわかってるんですか!?」
「だからいまこうして誤ってるじゃないですか」
「反省してるなら、今後一切勝手な行動をとらないでください。これは文さんだけでなく、烏天狗みなさんに共通することなんですからね!」
「……はいはい」
「……失礼します」
一通り言うべきことをその場から去って行った。
「む〜、ちょっと人間を中にいれただけなんですがね〜はたて」
「あれ……気づいてたの?」
文が木の陰に向けてそう言うと、別の烏天狗が姿を現した。文と同じ新聞記者でありライバ
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