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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第一章
六話 歩み寄る事
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ヴィヴィオと、アインハルトの、再戦が決まった。

────

18:28 高町家

着替えたヴィヴィオは、悲しげな表情を浮かべて、ベットに倒れ込む。
思い出すのは、今日の試合……そしてそれが終わった直後の、相手の少女の少し悲しげな表情。

『──あの人からしたら、私は、レベルが低いのに、不真面目で……』
きっと、失望させてしまったのだろう。自分が、余りに弱すぎたから……
胸中に去来するのは罪悪感と、後悔。そして少しの、悔しさ。

『私だって……ストライクアーツは“趣味と遊び”だけじゃないけど……』
それを、どうすればいいのか……分からず、枕に顔をうずめる。
と、脳裏に、どういう訳か、昨日聞いた言葉がよみがえった。

『[どうだ?兄貴強かっただろう?]』

「…………」
と、ピピッと言う音を立てて、空中にホロウィンドウが現れた。屋内通信だ。画面には、エプロン姿の母、なのはの姿が有る……

「ヴィヴィオ、晩御飯だよ」

────

フェイトは、昨日の今日で既に仕事で別の世界に飛んでいるため、今日はもう居なかった。

昨日より座る人物の少なくなった、けれどいつも通りのテーブルを囲んで、三人は食事を続ける。
大皿に盛られた酢豚を口に運びながら、クラナは無言でなのはとヴィヴィオの会話を聞いて居た。

「ヴィヴィオ、なんだか今日は元気ないね?」
「えっ?」
言われて、自分が顔に出ている上に蜀がいつもより進んでいない事に始めて気が付いたらしいヴィヴィオは、新手多様に笑顔を浮かべる。

「そそ、そんな事無いよ!元気元気!ね!クリス!」
「(グッ!)」
『バレバレ……』
『あはは……』
嘘の下手すぎる妹に呆れつつ、ご飯をかっ込む。
そのまま話しはヴィヴィオが来週アインハルトと試合をする事に、進んでいた。それを聞きつつ、クラナは食事を終える。

「……御馳走様でした」
「あ……」
立ちあがったクラナに、なのはが少し残念そうな顔をした。
きっと殆ど話しかけなかった事を考えているのだろう。そこまで自分の事を気にしなくてもよいのだが……そんな事を考えつつ、クラナは食器を手早く洗い、リビングから出ようと歩きだし……

「……お、お兄ちゃん!」
その直後、意外な声に呼び止められた。

『……っ』
『ちょ、あ、相棒!?呼んでますよ!?』
一瞬止まりそうになった足を自制し、そのまま無視して歩を進める。が、リビングから出そうになった所で……

「ま、待って!!」
ヴィヴィオが、クラナの腕を掴んだ。
普段は避けられる事を恐れてか触れようともしない……否、出来ないくらんの腕をだ。
流石にそこまでされては止まらざるを得ず、クラナは最大限に不機嫌そうな顔で振り向く。

「…………なに?
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