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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第一章
六話 歩み寄る事
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が、そんなヴィヴィオに対し、アインハルトはと言うと……
フイッ……とヴィヴィオに背を向け、そのまま歩きだしてしまった。
「……御手合わせ、ありがとうございました」
形式的すぎる挨拶。まるで期待外れの物を見たような彼女の態度に、当然ヴィヴィオは戸惑う。
「あの……あのっ!」
突然の事に付いて行けなくなりつつも、必死に彼女を呼び止めた。
それはもしかすると、自分と彼女のテンションが余りにも違う事から来る、戸惑いだったのかもしれない。
「すみません、わたし、何か失礼を……」
こういう時、素直に初めに自分に非があるのであはと思えるあたりは、彼女の器の大きさだろう。これが通常の競技者なら、キレていてもおかしく無い場面だ。
「いいえ」
アインハルトの簡素な否定に、ヴィヴィオの言葉は続く。
「じゃ、じゃあ……あの……私、弱すぎました?」
このように素直に自身が相手を失望させたのかと疑える辺りも、中々人格だろう。元来彼女は、プライドが先行しない質なのだ。
「いえ……“趣味と遊びの範囲内”でしたら十分すぎるほどに」
『…………』
クラナはそんな言葉を、何を言うでもなく唯聞いて居た。
元来、彼女とヴィヴィオではこの試合に求めている物が違う。この結果は、ある意味初めから予想できるものだったと言えよう。
「申し訳ありません。私の身勝手です」
小さくそう言って、アインハルトは再び歩き出す。
はっきりと申し上げるならば、全くその通りである。此処まで読んで下さった貴方ならば分かるだろうが、彼女は少々自身の目的に夢中になりすぎ、他者への配慮が粗雑になる傾向が有るのだ。
また敢えて言うならば、「申し訳ありません」は、相手に背を向けて言うべき言葉では無い。
とは言え、彼女もこれまでの人生全てをこの状況の為に打ち込んできたと言ってもよい身。多少自分勝手ながら、思わずこう言った言葉が出てきてしまう事も、仕方が無いのかもしれない。
「あのっ!」
しかしそれだけの事を言われてもヴィヴィオは食い下がる。
「すみません!今のスパーが不真面目に感じたなら謝ります!」
それは一体何の為の懇願だったか。
彼女自身、既にこれほどの実力を持つアインハルトと、もっと交友を深めたいと既に感じていたのかもしれない。このままでは余りに後味が悪すぎる。
「今度はもっと真剣にやります!だから……もう一度やらせてもらえませんか!?今日じゃなくても良いです!明日でも……来週でも!」
その余りにも必死な訴えに、アインハルトは困ったようにノーヴェを見る。振られたノーヴェは少し考えこむように頭を掻くと……
「あー、じゃあ……来週、またやっか?今度はスパーじゃなくて、ちゃんとした練習試合って事で……」
「…………」
こうして、
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