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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第一章
六話 歩み寄る事
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ールです』
アルの報告に、クラナは首をかしげる、
『誰から?』
『ノーヴェさんからですね』
『え……』
昨日の今日ならぬ、さっきの今で、クラナは悪い予感が自分の中に満ちるのを感じていた。
────
さて、所変わって此方はStヒルデ魔法学院初等科校舎図書室。
初等科の校舎であるにもかかわらず、大学並みの広さの敷地と高さの本棚が多数並んでいるこの図書室。どうでも良いが、小学生であるにも関わらず歴史の専門書やその他いくつもの学術書を読む生徒等居るのだろうか?
「あったあった!これがお勧め!」
と、そんな図書室の中に清楚な少女の声が響いた。ヴィヴィオの友人、コロナ・ティミルである。
少々分厚い本をもってヴィヴィオの元へと彼女は歩いて行く。
「「覇王イングヴァルト伝」と、「雄王列記」。後は当時の歴史書!」
居たよ此処に……失礼。小学生ながらここまで分厚い歴史書を読めるとは、少々驚きである。真面目な話、Stヒルデ魔法学院の学力レベルを知るのが少し怖い。
と言うかクリスが自分の体積の三倍以上は有りそうな分厚い本を運んでいるのだが、重くないのだろうか……
「ありがと、コロナ」
ヴィヴィオが笑顔で言うと、コロナはニコリと笑って返す。
「前にルーちゃんにおすすめして貰ったんだ」
ルーちゃんと言うのは彼女達三人の共通の友人であり、故あって今は母親と共に無人世界、“カルナージ”に住んでいる。
クラナとの仲?まあそれはまたいずれ語るべき時も来るだろう。
「でも、どーしたの?急にシュトゥラの昔話なんて」
と、本を読み始めたヴィヴィオに、両頬杖をついたリオが問う。
「うん。ノーヴェからのメールでね?この辺の歴史について一緒に勉強したいって」
齢10の少女に600年前の……それも特定の一国の歴史を詳しく紐解いて行きたいと言い出すとは中々どうしてハイレベルな話では無かろうか。
まぁそれに対しさして疑問を持つでもなく、素直に勉強しだすヴィヴィオや、それに付き合えるコロナ等も中々どうしてハイレベル初等科だが。
「あ、それから今日の放課後ね」
と、ヴィヴィオが嬉しそうに笑いながらもう一言。
「ノーヴェが新しく格闘技やってる子と知り合ったから、一緒に練習してみないかって!」
――――
「…………」
クラナは今にも付きそうになる溜息を押し殺しつつ、ノーヴェに呼び出された場所……区民センター内の廊下を歩いて居た。
呼び出しのメールによればこの奥のスポーツコート内にノーヴェ達が居るはずだが……
と、廊下の端に大きめの扉を見つけ、クラナはそれを押しあけて中に入る。
「おっ、来たか」
「あ!クラナ先輩!」
「お兄ちゃん!」
「…………」
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