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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第一章
六話 歩み寄る事
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の後悔として彼奴にのしかかってる。彼奴はその無念を晴らそうと必死なんだよ』
『けど……』
そう、しかし今の時代にはその無念をぶつける相手がいないのだ。
救うべき相手は既におらず、守るべき国は歴史の彼方へと消え去り、世界はとうの昔に“覇王”を必要としない時代へと移り変わっている。
彼の無念も、彼女の願いも、この世界は全て無視して回って行く。
『だから……お前に相談なんだよ』
『え……?』
今の話から、どうやって自分の方へと繋がってくるのか分からず、クラナは内心で首をかしげる。
『彼奴の思いを受け止める事は、アタシには出来ねぇ。けど……本当に勝手で嫌になるんだけどよ……“彼奴”なら、受け止められるんじゃないかって、な……』
『あ……』
聖王女オリヴィエの遺伝子複製体、つまり、ヴィヴィオならば確かに……彼女の思いを受け止められるかもしれない。
『ただ、昨日の事が有るからな……お前の意見はどうかって思ってよ』『……』
成程。なんだかんだで、自分は完全にこの女性にシスコン認定されてしまった訳だ。
「(まいったなぁ……)」
内心クラナは頭を掻きたくなる。
確かに、少々でも妹を危険にさらすことには矢張り抵抗が無いと言えば完全に嘘になる。そんな心境を見破られているようで、少し居心地が悪かった。だが……
『……俺に聞くよりも、行動してみる方が良いと思います』
『ん……?』
『彼奴も、なのはさんの子ですから。なのはさんもそうですけど、ウチの人間って難しい人間関係には、結構当たって砕けろなんですよ。俺は何とかかわしてますけど……ぶつかってみれば、ヴィヴィオも自然と、アインハルトから何か感じ取って、それだけ何かが繋がると思います』
所謂有名な、“O☆HA☆NA☆SHI”と呼ばれるコミュニケーション技法である。高町なのはから強烈な攻撃(物理及び魔法)を受けた敵対関係の人間は、どういう訳か彼女と仲が深まってしまうのだ。これのメカニズムに関しては諸説あり……?もう良い?それもそうか、では話を続けよう。
『へぇ……』
ノーヴェは感心したような……あるいはからかうような声で念話を発する。
『なんだかんだで、彼奴の事信頼してるじゃねぇか』
『そ、そうですか?』
『そうですよ。ヴィヴィオさんなら出来ると思うからそう言う事をおっしゃるんでしょう?』
『う……』
言葉に……否、念話に詰まるクラナに、ノーヴェは苦笑すると、ふたたびアインハルトの方へと歩いて行った。
────
「ふぁ……」
校門まで送ってもらい、校舎に歩きながらクラナは小さく欠伸をする。
『なんだか急に色々な事が起きてますねぇ……』
『そうだね……まぁ、悪い事が起きてる訳じゃないし……様子見が得策かな』
『そうですね……あれ?相棒、メ
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