第1章 やって来ました剣と魔法の世界
第7話 鎮魂
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くれたら良いのですが。そう思い……。いや、むしろ祈りながら。
そして、更に続けて、
「イボだらけのようになった膨らんだ身体と、蜘蛛の身体に相応しい剛毛の生えた長い脚。
腹部がまだらの淡いスミレ色で、上半身に行くに従って藍色となり、手足の先やハサミの先は黒に成っている。
この特徴から、私はレンのクモと呼ばれている魔物の一種だと思ったのです」
まして、あの蜘蛛には間違いなく知性が有りました。
顕われた当初は捕食者としての行動でした。
しかし、それは直ぐに、明らかな敵対行動を取っていた俺に対する重点的な攻撃へと移っていたのですから、これは有る程度の知能が有ると考えても良いでしょう。
「それでは、あの蜘蛛には、何故、僕たちの魔法がまったく通じなかったのでしょうか」
引き続きのコルベール先生の質問。
俺は、犠牲に成った女生徒の周りに集まった生徒達を掻き分けながら、
「防御用の障壁を、貴方がたの魔法では貫く事が出来なかったのです。
魔法を操る魔物の中には、防御能力を持った魔法障壁を操るタイプのモノも多いですから」
今度の質問に関しても、簡単に答えを返す俺。
もっと判り易く言うと、相手の魔法防御能力が高過ぎたから。彼らの魔法では威力が低くてレンのクモの施した障壁を打ち破る事が出来なかった。
そして、俺や才人の攻撃が通用した理由は、俺の仙術で、レンのクモの施した防御用の障壁を無効化したから。
基本的に、相手の能力の無効化などは出来るようにして置かなければ、退魔師などと言う危険極まりない生業を営んで行く事など出来る訳は有りません。
ようやく、ギャラリーとなった生徒達がやや遠巻きに囲んだその中心点に到達する俺と、コルベール先生。
そして、犠牲者となった女生徒の傍に佇んでいるアガレスに対して、
「彼女の命数は尽きていたと思うか、アガレス?」
……と、そう聞く。尚、俺の見立てから言わせて貰うと、向こうの世界でならば、この女生徒の状態から考えると、蘇生は可能だと思います。
後は、その道の専門家の意見次第。
「詳しい事は判らないが、この戦闘自体が突発的な事故で有る可能性が高い以上、彼女の命数は尽きてはいない。
シノブくんが彼女を生き返らせたとしても、そこに悪い澱みを作って、陰の気を発生させる事はない」
成るほど、アガレスがそう言うのなら、蘇生させられる可能性が高いか。
今回の事件に関しては、俺の判断ミスと言うよりは、この魔法学院の使い魔召喚の儀式が潜在的に持っている危険性の可能性の方が高いから、俺が負うべき責任は低い。しかし、だからと言って、この召喚儀式の危険性を認識していながら警告を発しなかった責は俺にも有ります。
もっとも、
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