第1章 やって来ました剣と魔法の世界
第7話 鎮魂
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「シノブくん。あの巨大な蜘蛛は一体、何物か知って居るのですか?」
戦闘の緊張が解けた後、巨大な蜘蛛の下から才人を助け出していた俺に対して、コルベール先生が話し掛けて来たのだった。
尚、当然のように俺の御主人様の蒼き少女と、才人のピンクの御主人様は直ぐに近寄って来て俺に手を貸そうとしてくれたのですが、それは丁重にお断りをして置きました。
その理由は、少なくとも、これは女性に手伝って貰う仕事では無いですし、才人を助け出す程度の事は、俺一人でも十分ですから。まして、女性は基本的に憑かれ易い存在ですから、本来ならこんな死の穢れを負った場所に長居をさせるべきでは有りません。
そして、他の学院生徒達に関しては、それぞれその場にしゃがみ込んだり、呆然としたりで、大して役に立つような状態ではなさそうな雰囲気なのですが……。
もっとも、初めての使い魔を得る為の通過儀礼の最中だったトコロから推測すると、彼らは魔法使いの卵たち。そうすると、今回のこの騒動が初めての戦闘の可能性が高いでしょう。そして、その初めての戦闘で、更に良く見知った仲間が死亡したのですから、これは仕方がない事だとも思いますね。
但し、魔法などと言う、異能で異常な世界に身を置いている以上、人の死に接する事は、普通の生活を送っている人以上に多くなるのは彼らも最初から覚悟しているはずです。
自分達の操っている能力が、簡単に人を殺す事が出来る能力だと言う事は理解しているはずなのですから、そう遠くない内に失調状態からは回復するでしょう。
……多分、なのですが。
「この世界の魔物ではないのですか?」
俺が才人を助け出した後に、コルベール先生にそう聞き返す。
但し、あの蜘蛛が俺の知っている……知識としてだけなのですが知っている魔物だとすると、この世界に存在している可能性は非常に低いと思っても居るのですが。
「いいえ。僕は、あのような魔獣の存在を聞いた事は有りません」
コルベール先生がそう答えた。その答えを肯定する意味からか、タバサも、そしてルイズの方も大きく首肯く。
成るほどね。但し、彼、彼女らのこの答えに関しては想定通りですが。
尚、才人に関しては、以後はルイズに任せたら良いと思います。ざっと見た感じ、彼自身がケガをしているようには見えないですから。むしろ、剪紙鬼兵を使用して、かなりの数の返やりの風を受けた俺の方が、見た目的には酷い事に成っているぐらいですからね。
あの術……剪紙鬼兵の術は、どうしても出血を伴う仙術ですから仕方がないのですが。
「私が知っているのは、ドリームランドと言う世界に生息している巨大な蜘蛛に関してです」
そう言いながら、蜘蛛の犠牲になった女生徒の方に足早に歩を進める俺。
間に合って
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