第22話 もう一人の仮面ライダー
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み!」
サボテグロンが持っていたサボテン状の剣を振るう。唸りを上げて飛んできたそれをまともに横腹に受けた一文字は壁に叩きつけられてしまう。
そのままズルズルと地面に崩れ落ちる一文字を残っていた戦闘員が捕まえてサボテグロンの前に跪かせた。
「気分はどうだ? 人間。我等ショッカーの偉大な力を見た感想は?」
「あぁ、余りに凄すぎて脇腹が痛ぇよ。ちっとは手加減してくれないのかい? こっちはか弱い人間なんだしさぁ」
「どうやら軽口を叩く余裕はあるようだな。だが、それもこれまでだ! 死ねぃ!」
【待て、サボテグロン!】
トドメを刺そうとした時、何処からか声がした。恐らく部屋内に設置されたスピーカーから発せられたのだろう。
「こ、これは死神博士!」
【その男、一文字隼人を連れて来い。その男を改造人間にしてやろう。さすれば憎き本郷猛を凌ぐ改造人間になる筈だ】
「ははっ、運の良い奴だ。あの死神博士のお目に適うとは羨ましい限りだ」
「ふざけんな! さっさと一思いに殺せ! 改造人間なんざまっぴらだ!」
「そうはいかん。貴様は栄光ある我等ショッカーの尖兵となるのだ。そして憎き仮面ライダーを仕留めるのだ! ヒヒヒヒヒィー!」
薄暗い牢屋内にサボテグロンの不気味な笑い声が響き渡った。戦闘員を引き剥がそうにも体中に力が入らない。先ほどの一撃がまだ効いているようだ。
(畜生…俺とした事が、こんなつまらんドジ踏んじまうなんてよぉ…全く、ついてねぇや)
先ほどの一撃が相当効いたのか、静かに一文字は目を閉じた。
***
頭がぼぅっとする。
まるで体の感覚がないみたいだ。
目の前には眩しい明かりが見える。
そして、その回りには白衣を着た男たちが何人もメスを持っている。
俺を切り裂いているのか? 俺は一体どうなっちまったんだ?
「う…うぅ…」
目を覚ました一文字が回りを見る。其処はショッカーの手術室であった。そして、自分の手足が拘束されているのを感じた。
「やい! 俺をどうしようってんだ!」
「一文字隼人。貴様は今日から人間を超えた存在に生まれ変わったのだ」
「何だと!」
「貴様の体をよく見ろ!」
言われた通り一文字は自分の体を見た。すると自分の腰辺りには何処かで見覚えのあるベルトが装着されているのだ。
白いバックルに紅い風車。間違いない。これは仮面ライダーが巻いていたベルトだった。
「な、何で俺が…このベルトを…」
「貴様は我等ショッカーの改造人間となったのだ。それも、初期に作った本郷猛のそれとは更に性能が上がった最高の仕上がりになぁ」
「お、俺が…俺が改造人間に…嘘だ! そんな訳ない! 俺は人間だ!」
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