第22話 もう一人の仮面ライダー
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「嘘かどうか、これで試してやろう」
薄気味悪い笑みを浮かべながら研究員は壁にあるレバーを倒した。すると体全体に激しい痛みが走る。
「ぐわああぁぁぁぁぁ! な、何しやがったんだてめぇぇぇ!」
「貴様の体に5万ボルトの電流を流したのだ。普通の人間なら黒こげだろうが貴様はその程度で済んだ。貴様の体には傷一つつかん。痛みを感じるのは脳改造が終わっていないからだ」
目の前が真っ白になった気がした。自分は人間でない存在となってしまったのか。だとしたら俺は一体何者なんだ。ショッカーとか言うカルトじみた組織の一員になってしまったというのか。
そんな思いが一文字の中をグルグル駆け巡っていた。
「直ちに脳改造手術を開始せよ! そしてその男を本郷猛と戦わせるのだ!」
「そうはさせん!」
その直後、手術室に影が入り込んだ。その影は回りに居た白衣の研究員たちを次々と薙ぎ倒していく。
「あ、あんたは…仮面ライダー」
「お前…その姿は…」
「へへっ、ざまぁねぇや。あんたの忠告を無視して突っ走っちまった結果がこれだぜ…嬉しいかい? 仲間が出来てさ」
「馬鹿野郎……なんでこんな無茶をしたんだ」
仮面ライダーは手を震わせながら一文字の頬に触れた。手には奇妙な傷の感触があった。触れられた一文字もそれを察する事が出来た。
「なぁ、俺の顔って、どうなってんだ?」
「今のお前の顔には、改造手術の影響の傷が浮かび上がっている。恐らく俺の戦闘データを元に改良型の改造手術をした際の反動だろう」
「そうか…へへっ、これじゃ誰が見ても化け物だな」
一文字は薄笑いを浮かべた。もう自分は人間ではない。人間として生きていけない。そんな考えが浮かんでしまったのだ。
(一文字……俺は、俺はお前を助けなければ良かったのかも知れない。そうすれば、お前は脳改造され、何も考えないショッカーの一員となっていただろう。だが、俺はお前を助けてしまった。それは、永遠に続く地獄にお前を巻き込んでしまった事になる)
「済まない、一文字…」
「??? 何であんたが謝るんだ」
疑問に感じた一文字が問うた。
「俺は、お前を助けなければ良かった。そうすれば、お前は脳改造をされ何も考える必要のないショッカーの一員になっていただろう。その方が、今のお前とっては幸福だったかも知れない」
「俺の幸福だって? 冗談じゃねぇ。そんな不自由な幸福なんざ御免被るぜ。それより、俺も改造人間って事は、あいつ等をぶちのめせる力があるって事だよな」
「何が言いたいんだ?」
疑問をぶつける仮面ライダーの前で一文字は自身を拘束していた拘束具を無理やり引き千切った。
そして、決意の篭った眼差しで仮面ライダーを見た。
「俺も一緒に行ってやるよ。その地
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