第21話 怪獣無法地帯
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。この島は我々人間の手に追える島じゃなかったんだ」
調査員の生き残りは涙を流しながら語った。最初は四人居た調査員も今は此処に居る彼一人となっていたのだ。だが、何故彼だけ今まで生きてこられたのか?
「僕がこうして今日まで生きてこれたのもこいつと小さなお嬢ちゃんのお陰なんです。毎日食べ物を持ってきてくれて…」
「ちょっと待ってくれ! この島には女の子が居るのか?」
「あ、あぁ…確か昨日だったかな。突然目の前に現れて何か訳の分からない事を呟きながら何処かへ行ってしまったんだ。でもその際に襲われていた僕を助けてくれたんですけどね」
「訳の分からない事? それは一体何なんです?」
訳の分からない事を言う女の子。理由はともかくそんな幼い少女がこんな怪獣だらけの無法地帯に居たのでは危険過ぎる。早急に調査員共々助け出さねばならない。
「確か…ジュエル…なんとかって言ってた気がします。恐らく何か探し物をしてたみたいだが…一体何の事やら」
「ダン、間違いない。それはジュエルシードだ! 恐らく此処最近の異常気象も怪獣の活発な行動も恐らくジュエルシードが影響しているんだ」
「成る程、ではその女の子と言うのはなのはの言ってたバードス島から助け出してくれた例のもう一人の魔導師と言う事になるな」
二人が納得した。その時、激しい振動が起こった。何事かと一同が視線を向ける。其処にはあのレッドキングが起き上がり暴れ始めたのだ。それもかなり激しい暴れ方だ。
「また奴か! アイツは毎回決まった時間には起き上がって滅茶苦茶に暴れまわるんだ。アイツのせいで調査員の殆どがやられちまった」
調査員とダン達の前でレッドキングが激しく暴れまわっている。このままの進路で進んできたら、恐らくこちらに来る。何とかしなければならない。ダンが懐からウルトラアイを出そうとしたが、其処で躊躇った。
(駄目だ、今此処で変身したら僕の正体がばれてしまう。悔しいが此処はチャンスを待つしかない)
「ダン、今は此処を離れるのが先だ」
「あ、あぁ…」
本郷の言葉にダンは力なく頷き、調査員を両側で支えながら歩き出す。しかし、そんなダン達のとは逆方向に珍獣が走り出していった。
「アイツ! まさか囮になるつもりなのか!」
「止めろ! お前まで殺されちまうぞ! 逃げるんだ!」
調査員が叫ぶも聞く耳持たずで珍獣は走り出した。そしてレッドキングの目前に迫るとそのまま左右に動き回りだしたのだ。レッドキングの目線が忽ちその珍獣に向けられる。
最初は興味本位で見ていたのだがやがてその光景に苛立ちを感じ出したのか、レッドキングは近くにあった岩を持ち上げる。それをそのまま珍獣へと叩きつけるつもりだったのだろう。だが、その刹那、金色の刃がレッドキングの顔面に叩き
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