第21話 怪獣無法地帯
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物を見つけるのが先だった。
「此処は班を二つに分けよう。僕となのはちゃんはこの先の火山帯を調べる。ダンと本郷の二人はもう一度森林地帯を探ってみてくれ」
「分かった。何かあったら此処で落ち合おう。互いに通信を怠らないように」
互いに頷き四人はそれぞれ分かれて捜索を行う事となった。
***
森林地帯を捜索する事となったダンと本郷の二人は先ほど怪獣達が暴れていた箇所を捜索していた。もしかしたらその箇所で調査員が動けなくなって立ち往生している可能性があったからだ。だが、そんな想いとは裏腹に其処では何一つ収穫がなかった。あったのは原生植物の群れだけであった。
「これ以上探しても時間の無駄か。どうする、もう少し探索を続けるか?」
「嫌、一旦ハヤタに連絡を入れてみよう」
そう言ってダンがハヤタに通信を入れようとした。だが、その通信は何故か雑音のせいで送れず仕舞いとなってしまった。
「通信が出来ない!」
「恐らく此処の火山帯の磁場のせいだろう。となるとアースラに連絡を取るのも難しいな」
正しくミイラ取りがミイラになると言う現状であった。捜索に来た自分達だったが、帰る為に通信を送らねばならないのにそれが出来ないとなると今度は自分達の身の心配をしなければならない。
そう思っていた時、近くの茂みが微かに動き出すのを感じた二人が咄嗟に身構える。
「何だ?」
「気をつけろダン。もしかしたらこの島の猛獣かも知れないぞ」
本郷が前に立ち構える。改造人間である彼だからこそそんな無茶が出来るのだ。
茂みの動きが大きくなり、やがて茂みの中から何かが現れた。それは一匹の珍獣であった。赤で基調された色合いをしており手足は白い。その珍獣はダンと本郷を見ると左右に飛び回った後、背を向けて走り出した。まるで二人をあるべき場所へ導こうとしているかの様だった。
「あの珍獣…僕達を何処かへ連れて行こうとしているのか?」
「どうする…ついて行くか?」
「そうしよう。どの道あの珍獣しか手掛かりがないのだから」
細心の注意を払いつつダンと本郷の二人は珍獣の後を追い掛けた。珍獣の行く先は最初は深い森林だったのが、やがて岩山へと変わっていく。とても険しい山岳地帯であった。しかしその地帯をあの珍獣は物ともせずに走っていく。
「ん? あれは!」
道を歩く中、ダンは岩陰に何かあるのを見た。その近くには例の珍獣が居る。
「そうか、あの珍獣はお僕達を此処に連れて来たかったんだな」
「き、君達は?」
「安心して下さい。我々は貴方達を救助する為にやってきました」
「そ、そうか…もう調査員の生き残りは私一人になってしまったんだ。他の奴等は皆死んでしまった。この島は無法地帯だ
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