第21話 怪獣無法地帯
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多々良島に付いた一同がまず目にしたのはその地に生い茂る原生植物であった。それだけならまだ驚きはしないのだが、其処に生えている植物は明らかに異質さをかもし出していた。まるで、白亜紀にタイムスリップしたかの様な錯覚さえ感じられた。
「これは、日本では生えない植物だ。それもこんなに…だが、一体何故?」
手近な植物を手に取り本郷は呟く。日本にこれが生えないのは一重に気候などの問題による物が主とされている。しかし、近年多発する火山活動や地殻変動の影響でこの島の気候が変わってしまったと言うのであれば話に合点が行く。難易しても早く調査員達を見つけ出す必要があった。この島は余り居心地の良い島とは言えない。
「まずは調査員達の宿舎に行って見よう。もしかしたら其処で原因がつかめるかも知れない」
一同が移動を始めた。森林の移動は思ったよりも面倒であった。足を踏み出す度に生い茂った植物が足に絡みつき転びそうになってしまう。それでも大きく足を踏み出し葉を振り払いながら道を進んでいく。
突如、けたたましい叫びが聞こえてきた。獣のそれかと思ったが質量からしてでかさが違い過ぎる。では一体何が?
「あ、あれを見て下さい!」
なのはが指差す。其処には二体の怪獣が暴れ回っていたのだ。
一方は蝙蝠を思わせる羽と牙を持った怪獣であり、もう一方は全身岩の様な皮膚を持った怪獣であった。その二体の怪獣が所狭しと暴れまわっているのだ。あんなのに巻き込まれたら人間など一溜まりもない。
「すぐに此処を離れよう。今我々のすべき事は宿舎へ行く事だ」
ハヤタの判断は正しかった。もしあそこに調査員が居たとしても怪獣達の暴れまわっている箇所に行くのは自殺行為に他ならない。ミイラ取りがミイラになっては洒落にもならない事だ。
視線を再び怪獣に映すと、蝙蝠の怪獣の片手がもう一方の怪獣により引き千切られてしまっていた。蝙蝠の怪獣はその怪獣に背を向けてそそくさと逃げ去ってしまった。そんな怪獣を見てもう一方の怪獣【レッドキング】は得意げに腕を振り上げているのであった。
***
「こいつは酷い…」
一同の目の前に映ったのはすっかり荒れ果てた宿舎であった。それもかなり酷い。まるで獣の襲撃にでもあったかの様な荒れ方であった。
そんな中、ダンは調査員の遺留品らしき物を見つけた。それは血の跡の付いたシャツの断片であった。
「血のつき方からしてかなり時間が経ってる…」
ダンはその後沈黙した。もしかしたらこのシャツの持ち主は既にこの世に居ない存在なのかも知れない。そう思わされたのだ。
だが、確証もないのに決めるのは愚かな行為に他ならない。まずは現
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