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スーパーヒーロー戦記
第20話 スーパーロボット対決!マジンガーZ対キングジョー
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。落ちていったクロノの生死を確認せず、円盤は過ぎ去っていった。どうやら彼等にとって彼の生死など気にしてないようだ。




「う…うぅ…」

 目を覚ますと其処は粗末な布の上であった。体を見ると応急処置を施された後のようだ。しかし一体誰が?
 傷ついた体を起こそうとするが、そうすると体中に激痛が走った。とても起きられる状態じゃない。

「う、ぐぅ…」
「おいおい、無理して体を起こすもんじゃねぇよ。折角拾った命をむざむざ捨てるつもりか?」

 誰かの声がした。その方を見ると、其処には黒いレザージャケットにジーンズ、そして白いギターを背負った青年が立っていた。どうやら彼が助けてくれたのだろう。

「あ、貴方は…貴方が僕を?」
「ま、そう言うこった。しかし驚いたぜ。いきなり空の上から降ってくるんでなぁ、てっきり美人かと思ったらこんなお子様だったとはな」

 若干皮肉がかった笑みを浮かべながら青年はクロノの前に腰を下ろした。

「俺は早川健。しがない私立探偵さ。此処にはちょいとした観光で来たみたいなもんさ」
「クロノ・・・クロノ・ハラオウンと言います」

 クロノは名前だけを教えた。下手に自分が異世界の住人だと言う事を言う訳にはいかない。そのせいで戦争の火種になる訳にはいかないのだ。それを理解していたのか早川はフッと笑みを浮かべていた。

「どうやら此処へ来たのは訳有りみたいだな。ま、その様子だと聞いても答えてはくれまい」
「すみません」
「良いって事よ。それよりその体じゃ満足に動けそうにあるまい、暫くは安静にしてな」
「そ、そうはいかないんです。早く…早く通信を入れないとかあ…艦長が心配します」

 早川の言い分を無視してクロノは待機状態のデバイスを取り出す。だが、取り出したデバイスは何の反応も示さなかった。どうやら先ほど浴びた光線のせいでデバイスの機能が破壊されてしまったようだ。これでは救援を頼む事も出来ない。

「ん? 見た所それはデバイスみたいだな。壊れちまってるみたいだが」
「え!? 貴方は、デバイスを知っているんですか?」

 驚いた。この星の住人がデバイスを知っているなんて。

「ちょっと貸してみな」

 早川の言い分を聞き、クロノは彼にデバイスを渡した。早川は慣れた手つきでデバイスを触り、懐から幾つかの工具を取り出し、修理を始めた。それは僅か数分で終了した。

「ほらよ、通信機能は直せなかったが他はどうにか直せたぜ」
「凄い、貴方は一体何者なんですか?」
「前にも言ったが、只の私立探偵さ。但し、何をやらせても日本一だがな」

 本気か冗談か、早川がそんな事を言って来た。それを聞いたクロノは半ば苦笑いを浮かべてしまった。




     ***


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