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スーパーヒーロー戦記
第19話 悪質宇宙人
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一面荒野となった星であった。それが未来の地球だというのだろうか。緑の大地も、青い海もなくなり、あるのは死の荒野だけとなった悲しい星。それが未来の地球だというのだろうか。

【だが、私は違う。私はこの星を青く美しい星のままに出来る。地球人に任せていては地球の命は後100年もないと私はそう思っている】
「でも……でも、それじゃ人類はどうなるんですか?」
【君以外の人類には興味などない。邪魔するのであれば不本意だが…】

 其処から先の意味は分かった。恐らく人類を全て排除するつもりだ。確かにそうすれば地球は再び元の自然の世界に戻る筈だ。だが、そうなれば地球から人類がいなくなるということになる。なのはの家族も、友達も、知らない人達も、近い将来会うであろう人達も皆この世から消え去ってしまう事になってしまう。

「そんなの…そんなの嫌です! 絶対に嫌だ!」
【君は私の星で永遠に生きられるのだよ。それすらも要らないと言うのかね?】
「要りません! 私一人が生きても辛いだけです!」
【では、地球がこのまま滅びるのを、君は黙って見ていると言うのかね?】
「そ、それは…」

 言葉に詰まってしまった。友達を失うのは嫌だ。だが、地球を失うのも嫌だ。なのはは、とても辛い選択を迫られた。どちらかを選ばねばならない。だが、どちらも失いたくない。

「私は……私は……」

 返答が出来なくなってしまったなのははやがて蹲り頭を抑えて激しく悩みだした。純粋が故にどちらも選べないのだ。それを見て察したメフィラス星人は映像を止め、そっとなのはの肩に手を置いた。

【君は純粋で優しい。が、優しすぎる。それは時に君の判断を鈍らせる要因となる。少々答えを急ぎ過ぎたようだ。部屋を用意しておいたからゆっくり考え給え】

 そう言って指を鳴らすとなのはの姿が忽然と消えてしまった。恐らく転移させたのだろう。残ったのはメフィラス星人只一人となった。

【今度は君とも話さねばならんようだな】

 メフィラスがそう言う。すると部屋の奥からそっと誰かが現れた。それはハヤタであった。ハヤタもまたこの円盤の中に居たのだ。

「メフィラス星人。君の目論見は外れるだろう。地球人は愚かではない」
【それは君の見方による。私から見れば彼女以外の地球人は皆愚かだ】
「違う! 地球人は互いを思いやり支えあえる種族だ! お前の思っている程愚かではない」
【君は理想論過ぎるのだよ。物事はもっと現実を見なければ駄目だ。ハヤタ隊員……嫌、ウルトラマン】




     ***




 用意されていたのは簡素なベットと小さなテーブルと椅子。そして小型のテレビであった。来客用と言うには余りにも、寂しい感じがする。それもそうだ。此処は来客を泊める為の部屋ではない
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