第19話 悪質宇宙人
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ザラブ星人に掴みかかろうとした甲児を本郷が止める。
【兜甲児君。気持ちは分かるが現実は悲しい物だよ。全てはウルトラマンが招いた結果とした言いようがない。諦めるしかない】
「ち、畜生…」
悲しい現実を突きつけられた甲児は力なくその場にうなだれた。そんな甲児の肩をザラブ星人がそっと手を乗せる。
【君の無念の気持ちは痛い程良く分かる。もし今後ウルトラマンが現れたら私も一緒に戦おう。君の友達の弔い合戦を手伝いたい】
「あぁ、ウルトラマンの野郎め! よくもなのはやハヤタさんを殺しやがって…今度会ったら怒りの鉄拳を叩き込んでやる!」
甲児は怒りを露にしてモニターに映っている先ほどのウルトラマンを睨んでいた。今の甲児の中にあるのはウルトラマンんに対する憎しみしかない。
だが、この時誰も気づかなかった。背後で不気味な笑みを浮かべるザラブ星人に。
***
【やはり、その返事をするようだね】
「当然です! いきなり地球を下さいなんて図々し過ぎます!」
一方、此処はメフィラス星人の円盤の中。其処でなのははメフィラス星人と二人だけで話しをしていた。
内容は彼に地球を明け渡すと言う事実上降伏宣言にも似た事でもあった。
そんな事を断じてさせる訳にはいかない。
「地球は私達人類の星です! 絶対に誰にも渡しません!」
【だが、その地球人類がその星を滅ぼすとしたら?】
「え?」
【これを見たまえ】
メフィラス星人が合図すると、先ほどまで白一色だった空間が変化し、其処は一面宇宙空間となった。そして、目の前にあるのは自分たちが住んでいる母なる星地球であった。だが、その地球は自分が知ってる星とは何処か違う。とても薄汚れているのだ。あちこちで爆発が起こり、砂漠となった箇所が多く、青い海も所々汚れていた。
「こ、これは?」
【君が生まれる丁度100年前の地球だよ】
「こ、これが…100年前の地球」
それは正に地獄絵図であった。あちこちで人間同士は激しく争い続け、大地は汚れ、生命は続々と死に絶えている。
【地球人と言うのは本当に愚かな種族だよ。同じ種族同士で無駄に殺し合い、母なる星を己の手で汚し続けている。実に嘆かわしい】
「で、でも…今の地球はとても綺麗になってますよ! それに国際平和連合が出来たお陰で世界から戦争はなくなりました!」
【それも、一時の事でしかないのだよ】
今度は今の地球に姿が変わる。決して綺麗とは言えないがそれでも緑が蘇り青い海が現れている。
【人間とは同じ過ちを繰り返す生き物だ。やがて些細ないさかいが生じ、やがて人はまた争いを起こす。そうなれば、近い将来地球は死の星となるだろう】
そう言って最後に現れたのは
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