第19話 悪質宇宙人
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なのだ。その為異星人と聞くとどうも身構えてしまう癖がついたようだ。
【やれやれ、異星人が皆地球を侵略しに来る野蛮な者と思われるのは悲しい事だなぁ】
「君は一体何者なんだ? 何が目的で僕達の前に現れたんだ?」
本郷が尋ねる。其処は流石に大人なのか大人の対応をしている。それを聞いた異星人は今度は本郷の方を向いて満足気に顔を前後する。
【勿論、この不足の事態を収拾させる為にやってきたのさ。ご存知、ウルトラマンが引き起こした事態にね】
「何!?」
その言葉に真っ先にダンが反応した。が、その反応を特に気にせずに異星人は続ける。
【君達はウルトラマンについて何を知っている? 何も知るまい。我々ザラブ星人は知っている。ウルトラマンはそれはとても凶悪な宇宙人なのだよ】
「なんですって!」
【ウルトラマンはまず侵略に適した星を見つけると、その星で英雄的行いをする。それで民衆からの信頼を一身に得た後に、侵略を開始すると言う大変狡猾で残忍極まる悪質な宇宙人なのだよ】
「出鱈目だ! そんな筈がない!」
やはり其処でもダンが反論した。それを聞いたザラブ星人がダンの方を向く。
【君の言い分も分かるが、現実を見たまえ。現にウルトラマンはこうして原子力発電所を破壊したんだ。そのせいで今漏洩した放射能がどんどん広がっている。このままではあの島国は人の住めない地になってしまうのでは?】
「確かにその通りね。貴方はあの事態をどうにか出切ると言うの?」
【我々の力を用いれば放射能を除去する事など容易い事。試しに見せてしんぜよう】
ザラブ星人がそう言う。すると、破壊された原子力発電所の上空を一機の円盤が舞い降りてくる。その円盤から奇妙な色の光線が放たれた。その光線は忽ち漏れ出していた放射能を除去分解していった。やがて10分も経たない内に蔓延しだしていた放射能は綺麗に消え去ってしまった。
【これで信じてくれたかな? 我々の誠意が】
「感謝します。それで、貴方は本当に只の親善大使として来ただけなのですか?」
【勿論、こうして同じ宇宙に住む者同士互いに手を取り合いたくてこうして来たのさ】
「……」
皆がザラブ星人を信じきっていた中、ダンだけは疑いの眼差しを向けていた。
「そうだ、あんた俺達の仲間を知らないか? 今必死に探してるんだけどさぁ」
【仲間? それは誰なんだい?】
甲児が身振り手振りで行方不明になったなのはとハヤタの事について話す。すると聞き終えたザラブ星人が納得したように頭を前後する。
【成る程、それも恐らくウルトラマンの仕業だろう。彼は自分の侵略の障害になる者を事前に処理する傾向がある。恐らくその仲間は今頃……】
「ふざけんな! そんな訳ねぇだろう!」
「落ち着け、甲児君!」
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