第19話 悪質宇宙人
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ィラスの手の上になのはが現れたのだ。なのはは振り返りメフィラスを見る。
「どうして、逃がしてくれるんですか?」
【最初に言ったと思うが、私はただ君と話がしたかっただけだ。確かに侵略の為にこの星に来たが、私は暴力が嫌いだ。其処で君を招きいれ地球を手に入れようとした。だが、私が思っていたより地球人の絆は深いようだ】
メフィラスが静かにかぶりを振った。彼の予想に反し地球人は愚かではなかった。そう決定付けたのだ。その結果が彼女、高町なのはなのであろう。
ウルトラマンがゆっくりとメフィラスの前に歩み寄る。互いに距離からして拳の届く範囲内である。
【話は終わった。受け取りたまえ】
メフィラスがそっとなのはを乗せた手を差し出す。ウルトラマンもまた手を差し出し、なのはを受け取る。そして、そっと彼女を地面に降ろした。
【今回は私の負けだ。素直に引き下がるとしよう】
【侵略を諦めたんだな?】
【いいや、私はまだ諦めてはいない。何時の日か必ずこの青い星を手に入れてみせる。そして、彼女の心も必ず手に入れてみせる】
【何!?】
【フッフッフッ、それまでせいぜい平和の為に頑張ってくれたまえ。私が手に入れるその時まで……な】
その言葉を最後にメフィラス星人は姿を消した。今度こそ敵は居なくなった。
それを確認したウルトラマンは空へと飛び去っていった。人々の心から悪のウルトラマン疑惑は消え去った。再びウルトラマンは正義のヒーローとなったのだ。
***
地上に戻ってこれたなのははあの時のメフィラスの会話の一部始終を聞いていた。
「地球と彼女の心を手に入れる…また、あの人が来るって事なのかなぁ?」
「そうだと思うよ。奴は地球を手に入れる事を諦めたわけじゃないからね」
「ハヤタさん!」
振り返れば其処にはハヤタが居た。何時もの優しい笑顔をこちらに向けている。どうやら無事だったようだ。
だが、
「あの、ハヤタさん…」
「なのはちゃん、すまないが僕がウルトラマンだと言う事は皆に秘密にしていてくれないかい? 悪い事だとは分かっているけど」
「……分かりました。私とハヤタさんだけの秘密ですね?」
「そう、分かってくれて嬉しいよ」
そう言ってなのはの頭を優しく撫でた。それを受けたなのはが嬉しそうに微笑む。すると其処へアースラ隊の仲間達が駆けつけて来た。
皆なのはとハヤタを心配して来たのだ。特に甲児などは号泣しながら走ってきている。余程心配していたのだろう。
「帰ろう。なのはちゃん」
「はい、ハヤタさん」
互いに頷き、二人は仲間の元へと帰って行った。
恐らく、近いうちにメフィラス星人はまた訪れるだろう。だが、何度来てもなのはの答えは変わらな
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