第1章 やって来ました剣と魔法の世界
第6話 召喚事故
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して、口訣を唱えながら宙にばら撒く。
次の瞬間、現れる俺の分身達。
剪紙鬼兵。確かに大した能力を持っている訳ではないが、囮ぐらいの役には立つ。
呼び出した十体の俺の分身たち。
最初の一体が潰された瞬間に、左腕から血が流れ出す。
返やりの風による被害だが、現実に存在する人が死ぬよりはマシ。
次の一体が糸に絡め取られた時に、右足から血を吹き出す。
しかし、もう数歩の距離。
突如、俺の右手に現れる一振りの刀。
しかし、その刹那。
俺の耳に響く、何者かの叫び。
泣き、叫び、喚きながら消費される何者かの生命!
ええい、この精霊達の悲鳴は一体何事が起きていると言うんですか!
刹那、巨大蜘蛛に降り注ぐ火球と氷柱。
しかし、そんな攻撃ではヤツの表皮に傷を付けるドコロか、精霊の護りすらも抜く事は出来ない。
一瞬の隙。しかし、こんな戦闘中の隙は、例え一瞬のそれに過ぎなくとも、致命的な隙と成る。
刹那、それまで全く別の方向を向いていたはずの蜘蛛が、俺の方へ向けて跳躍を行った。
ちっ、蜘蛛の視界を甘く見過ぎていた。八つの瞳は伊達ではないと言う事か。
瞬間、誰かが俺の名前を呼ぶ。同時に誰かの叫び声が聞こえたような気がする。
しかし、眼前に迫った死の顎が全てを無駄な物へと変えて……。
しかし!
そう、しかし。何者かが俺を後方から突き飛ばし、そのままの勢いで地を滑る事により辛くも死の顎から逃れる俺。
「才人?」
俺と共に大地を滑って行ったのは、無銘の刀を抜き放った平賀才人と名乗った少年で有った。
「刀を抜いた瞬間に、身体が軽くなった気がしたんだよ。試しに動いてみたら、忍が急に棒立ちに成っていたから」
身体が軽くなる。……肉体強化か。
確かに、才人自身が精霊を従えている雰囲気はない。と言う事は、肉体を強化して、高速移動やおそらく防御力の強化、攻撃力のアップなどを図る類の能力を発現したのでしょう。
急に目標を失った蜘蛛だが、慌てる雰囲気もなく後方に向けて糸を放つ。
俺と、才人が逃れた方向に向かって。これは、つまり、
ヤツは間違いなく、俺達の事を危険な敵と認識していると言う事。
【何か判らないけど、サラマンダー、ウィンディーネ。この場の精霊を全て支配して、俺以外の魔法の発動を封じてくれ】
しかし、立ち直った俺にそんなモンが通じる訳はない。更に、俺とそう変わらぬスピードで才人もその糸を回避する。但し、高速で移動する度に、彼……才人に刻まれた使い魔のルーンが強い輝きを発しているのですが。
これは、才人自身が何らかの能力に目覚めたと言うよりは、使い魔契約によって、何らかの能力を付加されたと言
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