第1章 やって来ました剣と魔法の世界
第6話 召喚事故
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使出来る熱量総計が変わって来るのか。
例えば、500ミリリットルのペットボトル入りの10°Cの水を沸騰させるには、45キロカロリーの熱量が必要なんやけど、その二乗の熱量を使用可能に成ると言う事は、一気に2025キロカロリーの熱量を行使可能と言う事なのか判らない。
まして、冷気系に到っては、逆に熱量を奪うと言う計算式で行くのだろうけど……」
いや、これは流石に有り得ないか。所詮は魔法ですから、純然たる科学で考える事自体意味がないような気もしますね。しかし、それでも、二乗って言う部分について、どんな根拠が有って二乗と言う計算式が出て来るのでしょうか。
意外に興味深い話ですな。
タバサが真っ直ぐに俺の顔を見つめる。そして、
「わたしには貴方の言っている言葉の意味が理解出来ない。
でも、言おうとしている事は理解出来る。
わたし達の魔法のクラスとは、本人が自覚する物で有り、周りから見てもその効果範囲や威力などからそう判断出来る物と成っている事を指す」
魔法の説明に成ってから、かなり饒舌と成っているタバサが、ちゃんと俺の疑問に対する答え与えてくれた。
成るほど。二乗となっているが、科学的な計算式がある訳などではなく、漠然とした感覚でレベル1の時よりも威力が上がったから二乗と表現しているだけですか。
確かに魔法ですから、曖昧な表現になるのは仕方有りませんが、外……異世界からやって来た俺には、理解するのに、かなりの時間を要する魔法のようですね。
「つまり、ゲームなどの表現方法で言うのなら、レベル2と言う事か。それに、元が1に何回1を掛けても1以上にはならないから、そもそも、その二乗と言う表現方法自体に問題が有るような気がするな」
それとも、レベル1以外に、レベル0の魔法の威力が存在するのでしょうか?
それならば、基本の威力がレベル1以下となるので、1レベルの魔法の基本威力が1と表現される事はなくなる。最低でも2以上に成りますから。
いや。もしかすると、俺とタバサが話している言語の翻訳機能にずれが生じていて、俺が知っている単語に置き換えられる際に、誤訳を行っている可能性も否定出来ないか。
某僧正さんが言うように、矢張り誤訳は問題が有るか。特に、俺とタバサのやり取りは異文化コミュニケーションに当たります。些細な誤訳が、大きな行き違いに発展しかねない。
しかし、色々と興味深い魔法ですね。この世界の魔法と言う物は。
胸の前で腕を組み、異文化交流の難しさに改めて確認する俺。そんな俺を、少し深く成りつつ有る夜の闇と、炎の精霊の作り出す、熱を伴わない明かりが微妙な陰影を形作った。
ふと気付くと、タバサが未だじっと俺の方を見つめている。彼女の発して居る雰囲気
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