第1章 やって来ました剣と魔法の世界
第6話 召喚事故
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ば……。
「当然でしょう。使い魔の能力も持っていないし、戦闘能力も持っていないのなら、使用人としてわたしの身の回りの世話をして貰うしか仕事がないじゃないの」
流石は公爵家の姫君。少し、ドコロかかなりの上から目線の台詞。
もっとも、今のルイズから発せられる雰囲気は、少しの欺瞞が含まれているような気もするのですが。
何と言うか、貴族の姫君を演じている、と言う雰囲気が彼女から発せられているのですよ。おそらく、何の能力も持って居ない使い魔を召喚して仕舞ったと、周りから思われる事が我慢出来ないのと、もうひとつは……。
異世界から、才人を召喚して仕舞った自責の念……だとは思いますが。
しかし、このルイズの台詞も、有る程度仕方がないとも思います。働かざる者食うべからず。と言う言葉も有りますから。
それに、無芸大食の使い魔を公爵家の姫君が召喚したでは、流石に彼女の矜持が許さない事も当然でしょう。ですから、少しぐらいは厳しく当たる事が有っても、これは仕方がない事だとは思いますけどね。
彼女の、この世界での立場を考えるのならば。
……って、ヒモは漢の浪漫などと言っている俺の台詞とは、真っ向から対立する言葉ですね。働かざる者、と言う言葉については。
もっとも、俺自身がタバサのヒモに成る可能性は、本当のトコロはゼロですから、こう言う台詞が出て来るのですが。
確かに、かなり裕福な家に生まれた女の子のトコロに厄介に成るのなら、俺の良心も大して痛まないけど、そんな事は早々ないと思いますから。
例えば、公爵家の姫君に召喚された、とか言うのならばね。
「そんな。俺だって、来たくてこんな所に来た訳じゃないのに」
そう答える才人。確かに、才人の主張も判ります。何故ならば、
「確かに、才人は、召喚円を、異界への一方通行のゲートとは知らずに潜ったから、その責任は薄い。
せやけど、同時に自分の意志で潜って仕舞ったと言う責任は有る。
彼女、ヴァリエール嬢の召喚魔法は、それまでに何度も行使されたけど、すべて使い魔が現れる事は無かったからな」
才人に対しては、少し厳しい目の台詞を口にする俺。まして、俺の場合は完全に出会いがしらの衝突事故ですが、才人の場合は、自ら判断する余裕が有ったらしい。
それならば、それまで、目の前に召喚円が開いた存在達のように警戒して、簡単に潜るようなマネをしないと言う選択肢は有ったはずです。
それに、どうも才人自身が、ルイズの呼びかけに対して、無意識の内に答えた可能性も高そうな雰囲気ですからね。彼が召喚された時の状況の説明を聞く限りでは。
もっとも、今、彼が置かれている状況から鑑みて、自らを召喚して仕舞った少女の立場を斟酌してやれ、と言う事はかなり酷な台詞では有る
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